被災地の“魅力”伝える元東電社員 日常を失って気づく“地域にとって、いまできること”

中京テレビ
2020.11.09(月)19:00

 原発事故の“ありのまま”を知るツアーに、愛知県の関係者らが参加しました。

 旅を経て感じたのは「今、自分たちにできること」でした。

 

 福島第一原発にほど近い、福島県浪江町。町立の請戸(うけど)小学校は、地震と津波で破壊されたまま、いまも手つかずのまま残されています。

 

「子どもたちは全員助かったわけですけど、助かった要因として、(震災の)2日前に大きな地震がありました。学校の先生方が何かあったときの避難経路を確認した」(ツアーガイド)


 その校舎を見つめる、深津俊雄さん。愛知県常滑市の教育委員会に勤め、去年までは中学校の校長を務めていました。

「自分がこの学校に勤めていたらと考えると、近々のところであった地震を上手に子どもたちの指導に生かされて、よくぞ子どもたちを守ってくれたと、そんな思いでいっぱいです」(常滑市教育委員会 深津俊雄さん)


 愛知県の関係者らが参加したこのツアーは、福島県が企画しました。原発事故の“ありのまま”を見てもらうことが目的で、被災地域や資料館などを巡ります。

「映像としても見たことがあった。実際に来てみて空気を感じて、感じるものは全然違います」(中部国際空港 森勇樹さん)

「柵の向こうに家はあるけど、人は住んでいない。略奪的な行為の跡も見える。同じ日本でこんな場所が、まさに来てみて現実として捉えることができた」(中部経済連合会 和田耕一朗さん)


 

 ツアーのなかには、原発事故の“当事者”が語る場面も。福島第一原発の模型の前で講演をするのは、元東京電力社員の吉川彰浩さんです。

 吉川さんは、かつて福島第一原発で勤務し、震災当時は第二原発で働いていました。
 
「当時、罪の意識もありました。なんとかこの地域を取り戻したい思いも強くて、東京電力を退職することにしたんです」(元東京電力社員 吉川彰浩さん)

 

 吉川さんは震災の翌年、東京電力を退職。元東電社員の自分だからこそできることがあると、原発の現状を伝える活動をスタート。

 避難生活に区切りをつけるため、吉川さんは今年、福島県南相馬市に家を購入しました。

「原発事故で一度この町は避難区域になってますから、それがきっかけでこの家の方も他県に避難されている」(元東京電力社員 吉川さん)

 妻と少しずつリフォームをしながら、長い間、家主不在だった家をよみがえらせています。

 

しかし、元東電社員に対する世間の風当たりは強く、厳しい声をかけられたこともあるといいます。

「はっきり言われました。『あなたの会社のせいで』とか、『あなたが私の娘の人生を壊したことを分かっているのか』とか」(元東京電力社員 吉川さん)

 

 この活動をはじめて以降、吉川さんは地域を知るためのドライブを日課にしています。

 原発事故の後、世間には一変してしまった光景ばかりが伝わっています。

 

 しかし吉川さんは、代々続く米作りや助け合いの文化など、この地域がもつ“魅力”を発信したいと願っています。

「本来こういうのを大切にしていかなくちゃいけなかったと、いま思っていて」(元東京電力社員 吉川さん)

 

 吉川さんは以前から気になっている場所がありました。

 それは、福島・大熊町の民家の庭にある花畑。そこには”カエリマシタヨ”と書かれています。

 ここは去年4月に居住制限区域が解除となり、住民が帰れるようになった場所です。


 かつての暮らしが戻ることを願い、住民は花を植え続けていました。

「花置いたりして1人でもみなさんに 戻ってきてほしいなと思って。なかなか難しくなってきたな」(佐藤右吉 さん (81))

「知ってもらうといいですよね、来てもらって。こういうところ見てもらうと、大熊のイメージも変わるし」(元東京電力社員 吉川さん)

 

 こうした地域でしか知らない情報を集め、発信を続ける吉川さん。

 福島での体験をした人たちには、“自らの地域”で何ができるかを考えてほしいと話します。

「こうやって話すると みなさんに言っていただける。『私たちは福島のために何ができますか』と。私は“福島のために”の前に、みなさんの地域のために何かアクションを起こしてほしい」(元東京電力社員 吉川さん)

「事故が起きて初めて気づいたということだったんですけど、我々はそこの気づきを事故が起きる前、何かが起きる前にいただけたと思っていますので、改めて具体的なアクションを考えたいと思った」(中部国際空港 森勇樹さん)


 

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