これから紫外線が強くなる季節。去年使っていた日焼け止めを「まだ使えるから」と、そのまま使おうとしている人も多いのではないでしょうか。実は、去年のものを使用すると思わぬ“肌トラブル”につながることも。正しい使用期限はいつなのか、期限を過ぎたことによる肌トラブルを専門医に聞きました。

これから気温が上がり、紫外線対策として日焼け止めを使う機会も増えてきます。
「去年のものが残っている」「もったいないから」となんとなく使い続けてしまう日焼け止め。
使用期限が過ぎた日焼け止めは、肌トラブルの原因になることがあります。
藤田医科大学 ばんたね病院の矢上晶子教授は、「去年のもの」を使う場合は少し注意が必要だと言います。
「(時間が経った日焼け止めは)成分が劣化して刺激性が強くなったり、防腐剤の効果が弱まって微生物が増えることがあり、肌荒れ(赤み、ひりひりなど)が生じることがあります」(藤田医科大学 ばんたね病院 総合アレルギー科 矢上晶子教授)
さらに時間の経過によって紫外線を防ぐ成分が分解され、SPF・PAの効果が落ちることにより、塗布していても日焼けしてしまう可能性があります。
そのため古い日焼け止めは効果が低く、肌荒れなどを起こす可能性があるため、シーズンごとに使い切ることが大切です。
化粧品にも使用期限はある?

では、普段使用している化粧品にも使用期限はあるのでしょうか。
日本では化粧品の使用期限の表示について、「医薬品医療機器等法(薬機法)」で製造後3年以内に品質が変化する可能性がある商品にのみ、表示が義務付けられています。
そのため、多くの商品には使用期限や製造年月日が記載されていません。
化粧品の使用期限に迷ったときの判断方法について、矢上教授は、未開封と開封後で大きく異なると語ります。
「未開封の場合は適切に保管されていれば、一般的には製造から約3年程度は品質が保たれるとされていますが、高温多湿や直射日光は劣化を早める場合があります。一方、開封後は空気や手指の菌が混入するため、使用期限は大きく短くなります」(矢上教授)
海外では「PAO(開封後使用期限)」を示すマーク(6M、12Mなど)が記載されている場合がありますが、日本の製品ではほとんど見られません。
PAOマークとは、“開けてから、どれくらい安全に使えるか”を示すマークのこと。
例えば商品に「6M」と記載されている場合、6カ月以内に使い切ることが目安となり、その期限を過ぎると、安全性と品質の保証ができなくなる状態になります。
使用期間に「統一された国際基準は存在しない」

開封後の使用期間について、矢上教授は「統一された国際基準は存在しない」と言います。
そのため海外のPAO表示や微生物汚染・成分劣化などの観点から、製品ごとの特性に応じて数カ月以内の使用が推奨されています。
一般的な目安と留意事項は、以下の通りです。
・アイシャドウ:6カ月~1年
湿気や雑菌がつきやすいため、容器やチップの清潔を保つ
・マスカラ:3カ月~6カ月
雑菌が繁殖しやすく、目の周りのトラブル原因となることも
・リップ(口紅・グロス):1年
変色や異臭、質感の変化があれば早めに処分する
・リキッドファンデーション:6カ月~1年
成分分離や油分の酸化に注意。保管環境も重要
・パウダーファンデーション:1年
湿気を避けて保存する。スポンジ・パフは定期的に洗浄と良い
・基礎化粧品(化粧水・乳液など):6カ月~1年
開封後は冷暗所に保存するのが良い。雑菌混入に特に注意
開封後は未開封に比べ、リスクが明らかに高くなる

使用期限の過ぎた化粧品を使用すると、どのような影響があるのでしょうか。
「未開封であっても期限を過ぎると、徐々に品質が変化する可能性が高まります。成分の分解による効果の低下、油分の酸化による刺激(ヒリヒリ・赤み)などが起こる可能性があります。高温・直射日光によって劣化が進みやすくなることもあるため、配慮が必要です」(矢上教授)
また開封後は未開封に比べ、リスクが明らかに高くなると言います。
「開封後は空気や手から菌が混入したり、防腐剤の効果が時間とともに低下します。また、成分の酸化・劣化も起こりやすくなります。それらが原因となって、赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などの刺激性皮膚炎、ニキビ・毛嚢炎、目の周りの腫れ(特にアイメイク) が誘発される可能性が高まります」(矢上教授)
特に注意したい製品として、以下があります。
◆ アイメイク製品:アイシャドウ、マスカラ、アイライナーなど
・ブラシやチップによる細菌汚染が起こりやすい
・マスカラは特に湿潤環境であり、繰り返し出し入れするため菌が増殖しやすい
◆リキッドファンデ、クッションファンデ、コンシーラー、クリームチーク
・水分と油分で構成され、防腐剤劣化の影響を受けやすく、微生物が増殖しやすい
・スポンジ・パフが微生物の温床となりやすい
・開封後は酸化が進むため、成分が変性し刺激性が増加する
使用を避けるべきサイン

化粧品の中には、見た目や匂いだけでは劣化に気づきにくいものもあります。
使用を避けるべきサインとして、矢上教授は「塗ったときの違和感」「使用感の変化」に注意してほしいと言います。
◆塗ったときの違和感
・ひりひり感
・チクチク感
・いつもより痒い
・カサカサと乾燥する
・赤くなる
◆使用感の変化
・伸びが悪い
・ムラになる
・変にベタつく
・粉っぽいなど使い心地が変わった
「いつもと違う」と感じた場合は、無理に使い続けないようにしましょう。
化粧品や日焼け止めなどによる肌トラブルを防ぐためには、「早めに使い切ること」「異変を感じたら使用を控えること」が重要です。
(メ~テレ 飯田莉穂)


