暑さが続く9月も注意「細菌パラダイス」 ペットボトル飲料の飲み残し 常温で放置→細菌が大量発生

9月に入っても暑い日が続いています。日々、水分補給が欠かせない中、ペットボトル飲料を飲む人に注意してほしいのが、飲み残しです。常温で放置すると細菌が増殖し、食中毒を起こす可能性もあります。ペットボトルの飲み残しの潜む危険と対処について専門家に話を聞きました。
1000個から2日後には3億個に細菌数が増える

宇都宮市衛生環境試験所が、飲み残しをしたペットボトル飲料の細菌数に関する実験を行いました。試験所の職員がペットボトルに入った飲み物を容器に口をつけて半分ほど飲んだあと、残った飲み物を室温30度で放置。一定時間ごとに1ミリリットルあたりの細菌の数を測った結果、ミルクコーヒーは、飲んだ直後の細菌は約1000個でしたが、細菌がどんどん増えていき、48時間後には3億個以上と30万倍まで増加しました。
この実験結果はあくまで一例ですが、驚きの数字です。どうしてこんなに菌が増えるのでしょうか。
細菌増殖の条件は「水分」「栄養」「温度」

実はペットボトル飲料の容器の中は、細菌が増殖する条件が揃っているんです。その条件が「水分」「栄養」「温度」。ペットボトルに直接口をつけて飲み物を飲むことで、口の中の細菌や食べかすが容器へ入ります。細菌は飲み物の水分と栄養を餌にして増殖。さらに多くの細菌にとって30~40度が増殖に適した温度といわれているので、いまの時期、自然と高温になるペットボトルの中は細菌にとっては“パラダイス”なんです。
A・Bどちらが細菌にとっての“パラダイス”か

今回、実際に飲み残しをしたペットボトル飲料を用意。開封して間もないミルクコーヒー(A)と、2日前にペットボトルに口を付けて飲み、日が当たる場所で放置したミルクコーヒー(B)。どちらか分からない状態で、2人のアナウンサーににおいを比べてもらいました。

岡田愛マリーアナウンサー:
「一見、色は変わらないですね。Aは普通にコーヒーの香りがします」
石井俊大アナウンサー:
「Bは香りが弱いような気がしますね」
岡田アナウンサー:
「比較対象があるから気づくけれど、1本だとわからないかも」
冷蔵庫への保管や別の容器に移すなど対策を

食品衛生に詳しい名古屋文理大学短期大学部佐藤生一名誉教授によりますと、ペットボトルの飲み残しには見た目や臭い、味に大きな異変がない場合が多いそうです。「異変がないから大丈夫」と思って飲んでしまうと、大量の菌が体内に入ってしまい、腹痛や下痢などの体調不良につながったり、食中毒になってしまったりする可能性があるので注意が必要です。

もちろん、早めに飲み切るに越したことはありません。もし飲み切れない場合は「ペットボトルに口をつける前に飲める分だけ別の容器に移して飲む」「冷蔵庫で保管する」「飲み切れる小さな容量のものを選ぶ」こうした対策を心がけましょう。
9月に入ってからもまだまだ気温が高い日が続く予想です。引き続きしっかり水分補給しつつペットボトル飲料の飲み方には注意してください。