風邪薬を1回60錠 死に至る恐れも… きっかけは母親の一言だった 若者の“オーバードーズ”が深刻な問題に
市販の風邪薬などを過剰摂取する「オーバードーズ」が、深刻な問題になっています。名古屋・栄の街で聞きました。
【写真を見る】風邪薬を1回60錠 死に至る恐れも… きっかけは母親の一言だった 若者の“オーバードーズ”が深刻な問題に
(オーバードーズを経験した女性・31歳)
「薬をいっぱい飲んでふわってなって。寝られない時も何も考えずに寝られる」
女性が言う「薬」とは市販の風邪薬。母親に「産まなければよかった」と言われ、さみしさやストレスから逃れようと過剰摂取をするように。
(オーバードーズを経験した女性・31歳)
Q1回にどれくらい薬を飲む?
「60錠くらい。リストカットもしたこともあるが、血を見て落ち着くと思われるかもしれないが、その時に一緒に薬を飲んだら、言い方は悪いけど飛ぶ」
また、別の女性は、単なる「好奇心」がきっかけだったといいます。
(高校2年生)
「100錠やった時くらいに記憶も全部なくて。体質的に依存しやすかったのでそれもあるかな」
市販薬の過剰摂取=オーバードーズは、意識障害を引き起こしたり、繰り返すと肝臓が壊れて死に至る恐れもあります。
若い世代を中心に深刻な問題となっていて、名古屋市消防局によりますと、去年1年間で救急搬送された事例は、558件と過去5年間で最多に。
「それしか逃げ道がなかった」大学生たちの前で自らの経験を
(オーバードーズを経験した女性・22歳)
「当時は本当にそれしか逃げ道がなかった」
そんな状況に歯止めをかけようと、21日に名古屋市千種区の椙山女学園大学で開かれた特別授業。オーバードーズを繰り返し、違法薬物にも手を染めて逮捕された過去もある女性が、学生や教職員らに実態を語りました。
(オーバードーズを経験した女性・22歳)
「『あなたはすごく大事なんだよ』とかスキンシップでタッチで表現してもらったり。言葉だけじゃなくて」
女性は自分自身がそうだったように、立ち直るためには周囲の大人の理解と支援が不可欠だと話しました。