“ダムに沈む町”見守り続ける一本桜 ふるさと離れた人たちの“心のよりどころ”に 愛知

中京テレビ
04.02(金)19:00

ダム建設に伴い、水没してしまう地域を見守ってきた1本の桜。今年の春も、桜の元にはふるさとを退去していった人たちの姿が。

新型コロナウイルスの影響で恒例の花見会はなくなっても、ふるさとを離れていった人たちの心のよりどころとして、毎年咲き続けています。

 

愛知県設楽町。人口約4600人の小さな町。

この町を120年以上見守ってきた1本の桜の木が「八橋のウバヒガンザクラ」です。

農家の家に生まれ、この町に住んでいた安藤求さん(78)。

「桜の咲くのを家から見てね。楽しかった。これが私の生まれた屋敷跡です」(安藤求さん)

しかし、ダム建設に伴い、安藤さんの家を含む124世帯が水に沈むことになり、ふるさとを離れていったのです。

「人にはわからん複雑な心境ですね。やっぱりふるさとっていうのはね、なけにゃいかんの。さびれとってもね、なきゃいかん」(安藤さん)

 

3月22日。桜の木の下に安藤さんたちが集まっていました。

「二分咲きだと思います。桜は」(安藤さん)

かつて八橋地区に住んでいた金田利幸さん(83)、高木巧さん(81)、正木昭男 さん(77)たち。毎年恒例、花見会の準備です。

「今からボチボチ作業やって、あんまりハッスルせんで」(安藤さん)

お酒を入れるケースを取り出し運んでいきます。次に3メートルほどの板を運び、ケースの上にのせれば、簡易ベンチの出来上がりです。

桜が満開になるころになると、安藤さんたちはふるさとを退居していった住民らに声をかけ、花見会を開いています。

多い時は60人近く集まり、五平餅を焼いたり、バーベキューを楽しんだりと盛大に行われていました。ここは地区の人たちの心のよりどころなのです。

 

安藤さんが取り出したのは懐かしい写真の数々。昭和20年に桜の木の下で卒業証書を手にする生徒たち。

桜の木の上に登った安藤さんと正木昭男さんの写真です。

 

子どもの頃から慣れ親しんだ桜ですが、5年前、茂った葉が雨水を含んで重さを増し、耐えきれなくなって幹が折れてしまったのです。

安藤さんたちはなんとか桜の木を守ろうと、樹木医や造園業者に相談して治療を施し、支柱を当てたり、2か月に1回の草刈りなど手入れを続けていきました。

去年は新型コロナの影響で花見会は中止。今年もなくなく中止を決めました。

でも、いつ誰が来てもいいようにベンチを設営していたのです。

ふるさとを離れた人たちは高齢となり、花見会にやって来る人も年々減っているのが現状です。

 

ダムが完成して、町は水の中に沈んでも、高台に立つ桜の木は公園として整備されます。

この先も、ふるさとを離れていった人たちの心のよりどころとして、また来年も美しい花を咲かせてくれそうです。

「八橋は桜があるので、人が来れるので、道路が変わっても、将来にわたって人が来てくれるのでね。ありがたいと思っていますがね」(安藤さん)
 

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