各地で出没するクマ。被害を減らそうと長野県で行われているドローンを使うクマを追い払う実験を取材しました。
全国で相次ぐクマ被害 長野県の養蜂場にも出没

長野県の養蜂場に設置された防犯カメラには、暗闇の中で何かを物色するように動き回るクマの姿が映っていました。大好物のハチミツを探しに来た模様です。ただ、ハチミツがあるのはこの屋根の上。クマはなかなか上れませんでしたが、やがて鉄棒をするように懸垂の体勢で屋根の上に上りました。

別の日に屋根の上の定点カメラが捉えた映像では、クマは木箱に頭を突っ込んでハチミツを食べていました。日本各地で今、クマ被害が相次いでいてその対策が急がれています。
撃退の切り札は「全長3メートル」の大型ドローン

名古屋から車で約3時間、長野県の御嶽山の麓にある王滝村の宿泊施設で、クマを撃退しようと珍しい取り組みが行われています。

置かれていたのはドローンです。その大きさは全長3メートル。普段、物流用に使われるドローンです。名古屋でドローンスクールを経営している「For Nature」がクマ対策用のドローンを開発しました。

--ドローンでクマを監視するということでしょうか。
For Nature 安田公也社長:
「監視ではありません。クマを防除します」
嫌なにおいのボールを発射 安全な追い払いに期待

どうやってクマを近づかせないようにするのでしょうか。宿泊施設にクマが出たという想定で実験します。飛び上がったドローンがクマを発見すると、ドローンから球が発射されました。

--ボールを当てることでクマを撃退する仕組みでしょうか。
For Nature 安田社長:
「クマに直接ぶつけるという類でなくて、クマを排除するためにその近くに投げつけて、嫌なにおいを発生させて山に戻すということです」

ボールの中には、クマが嫌うオオカミの尿や木の焼け焦げたにおいが入っています。そのボールをクマの近くに投げて、地面などにぶつけて破裂させることで、クマを追い払う仕組みです。

では、どのようにドローンから発射されるのでしょうか。機体の下の装置にボールを詰めていき、クマを見つけると、球がピッチングマシンの仕組みで勢いよく発射されました。実はこの仕組み、ある技術を応用したと言います。

For Nature 安田社長:
「最初は火災対策のために開発しました。ドローンに消火剤を持たせて、それを火元に投てきできるようなものを開発したのです。初期消火がドローンでできないかと考えた装置です」

人間がクマと対峙しての駆除は危険を伴います。しかし、このドローンを使って球を投げ、破裂させることができれば、安全にクマを退散させることができると言います。
For Nature 安田社長:
「各自治体で一緒に協力してクマ対策が実証できれば、本当にありがたい。そういった理解を求めて、一刻も早くやりたいと思っています」


