「病気やケガをしたときどうすれば?」動物病院の診察に変化 コロナ禍でニーズ高まる「往診」 愛知・刈谷市

新型コロナが拡大して以降、動物病院の診察方法も変化していて、“往診”のニーズが高まっているんです。また、LINEを使った事前診察など、新しい取り組みを始めた動物病院もありました。
愛知県刈谷市にある「マンマ・ミーア動物病院」。
こちらでは、コロナ禍に入ってから始めた診察方法があるといいます。
「コロナ対策として、患者さんの不安を助けたいということで、LINEのサービスをやっていて」(マンマ・ミーア動物病院 神谷合可 院長)
行っていたのは、症状を先にLINEで送ってもらい、動画や画像での診察。
「電車で来ていて、あまり人の多いところに行きたくないから、ありがたいです」(飼い主)
新型コロナの感染が拡大して以降、在宅時間が長くなり、新たに犬や猫を飼う人が増えているといいます。
犬の新規飼育頭数は、2018年、2019年が35万頭ほどでしたが、2020年は41万6000頭、2021年は39万7000頭と急増。
猫も、2018年の35万1000頭から、2021年には48万9000頭にまで増えています。(データ提供:ペットフード協会)
そこで、ニーズが高まっている診察方法が“往診”。
神谷先生は「往診を必要としている人たちは絶対にいて、コロナ(の影響)で、結構利用される方もいる」と話します。
往診専門の動物病院には、こんなデータも。
去年5月から往診を始めて、依頼件数は右肩上がりで増え続けています。
神谷先生はこの日、名古屋市内の往診が4件入っていました。
2年前に猫を飼いはじめたこちらのお宅では、この日は、ワクチン接種と健康診断のため、往診を依頼しました。
「(コロナに)自分がかかるより、飼っている子たちに感染するのがいやです」
「2匹いるので、それを台車に乗せて車に乗せるとなると、1人では無理なので、来てもらうと助かります」(往診依頼した飼い主)
往診のメリットは、診察以外にも。
飼っている環境も確認しアドバイスできたり、相談の時間が長く取れること。
「来てもらう院内の診察よりも、話が進みますね。作業しながらでも、いろんな話ができる。それが楽しいし、やりがいがありますね」(神谷先生)
往診は、一般の家庭だけでなく、犬や猫のボランティア団体からの依頼もあります。
こちらで神谷先生が診たのは8頭。
往診依頼したボランティア団体によると、飼育崩壊した繁殖場からレスキューした犬たちとのこと。
ペットを飼う人が増える中、ブリーダーなどの無理な繁殖で飼育崩壊してしまう問題が起こっているといいます。
保護した犬は、健康チェックや狂犬病のワクチンが必要。
「コロナ禍だからこそ予約制になった病院もたくさんありますし、一人が何十頭も連れて行くので、それだけでご迷惑も心配もかけます。助かりますの一言です」(往診依頼したボランティア団体)
次に向かったのは、80代のご夫婦のお宅。
「心臓がかなり悪いし、かなりベロが青いから」(神谷先生)
長年連れ添ってきたのは夫婦だけでなく、愛犬(16)も。今は心臓が弱くなり、外に出ることができないため、往診を依頼したといいます。
「本当に大助かり。老犬と老夫婦にコロナではね。(往診が)精神的な支えになって助かっている」(飼い主)
病気になった動物を、高齢者が、病院へ連れて行くことは一苦労。
「高齢者の方が高齢犬を飼っていて、犬も体調を崩しはじめる時期。コロナがまん延してくると、これだけ病気がひどいけれど、病院に行き控えてしまうというケースも多い」
「往診があることを知らない方もたくさんいるので、往診がもっと広がればいい」(神谷先生)
ペットを飼う人が増えた分、病気やケガをした時、どう対処すればいいのか知っておくのも、大切なことです。