
一度「白髪」になった毛は「黒髪」に戻る?白髪を抜くと増えるは本当?なぜ白髪は太く見えるの?美容院でのヘアカラーとセルフは何が違う?身近な疑問を徹底調査

鏡を見ると、頭にきらりと光る「白髪」が…朝の身支度中に少しブルーな気持ちになったことはありませんか。
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その白髪ですが、実は黒髪に戻る可能性を秘めた毛と、そうではない毛があることをご存じでしょうか。そして、この時期は夏に受けた紫外線ダメージが現れる頃。今からでもできる対策や白髪にまつわる素朴な疑問を、ヘアカラー商品トップメーカーの「hoyu(ホーユー)」で、白髪を専門に研究している、伊藤健研究員に聞いてみました。
髪は元々…「無色透明」!?
まず、黒髪・白髪はどのようなメカニズムで生えるのか。伊藤研究員によると、そもそも髪自体は「無色透明」なんだそう。
「黒い毛」が生えるには、黒髪の元になる“メラニン”を生成する「色素細胞」と、この細胞そのものを生み出す「色素幹細胞」の両方が頭皮に必要です。しかし、この「色素幹細胞」と「色素細胞」のどちらか、あるいは両方に異変が生じた場合、髪を黒くする機能が止まって、白髪になってしまうのです。
伊藤研究員によると、白髪になるパターンは3つあるといいます。わかりやすく「色素幹細胞」を親、「色素細胞」を子どもに例えてみます。
①親は元気 子は元気なし → 色素細胞が“機能低下”
②親は元気 子はいない → 色素細胞が“機能停止”
③親も子もいない → 色素細胞と色素幹細胞ともに“機能停止”
何らかの原因で、メラニン色素が作れなくなっても、①②のように親がいれば、髪を黒くする「子」=「色素細胞」を生み出すことができるため、白くなった毛を黒に戻す可能性は残っているそうです。しかし、③になると…黒に戻るのは難しいようです。
なぜ白髪になるの?若白髪はなぜ生える?
では、白髪になるきっかけには、どういったものがあるのでしょうか。
伊藤研究員によると、要因として「遺伝」「加齢」「生活習慣」「病気」「ストレス」の5つが考えられるといいます。
白髪は、一般的に男女ともに35歳頃から増え始める人が多いようですが、それよりも前に生える“若白髪”に関しては、5大要因のうち特に「遺伝」によるものが大きく影響しているとのこと。
「白髪を抜くと増える」は本当?都市伝説?
筆者もいま27歳ですが、たまに白髪を見つけることがあります。その際「まぁ、1本ならいいか」と引っ張って、抜いてしまうこともしばしば…しかし「それは絶対にNG行為です!!」と伊藤研究員は話します。
(伊藤研究員)
「都市伝説的に『白髪は抜くと増える』なんて言われていますが、抜いたことが原因で増えることはありません。そもそも髪は1つの毛穴に対して2、3本生えています。そのうちの1本が白髪になった場合、それを無理に抜くことで、頭皮へのダメージが加わります。“抜くこと”そのものではなく、頭皮へのダメージが原因で、他の黒髪までも白髪になる心配があります。なので、白髪を見つけても抜くのは絶対にNGです!」
対策としては「根元から切る」OR「染める」が良いそうです。今まで白髪を抜いていたみなさん、「白髪は抜くと増える」は“都市伝説”にとどまりますが、頭皮に悪影響は与えています。今日から抜かないようにしましょう…
白髪って“主張”してきませんか?
ここで白髪にまつわる素朴な疑問を聞いてみました。白髪って、なぜか太く、目立つような気がしませんか?
伊藤さんによると…実際に、黒髪よりも白髪の方が「太い」という複数の研究結果があるそう。さらに、断面が「丸い」黒髪に対して、白髪は「平たい」ということですが、なぜ太いのか、なぜ平たいのかという理由はわかっていません。
ヘアカラー「美容院」と「セルフ」は何が違う?
さらにもう1つ…薬局などにも、自宅でできる白髪染めは数多く販売されていますが、美容院での白髪染めと何が違うんだろう?と思ったことはありませんか?美容院で使うヘアカラーも開発しているホーユーですが、伊藤研究員によると「基本的に使用している成分や原理について違いはない」とのこと。
(伊藤研究員)
「サロンカラーでは、お客様の要望や髪の状態に併せて、薬剤を選定し、100色近くの細かなニュアンスを表現できるようなヘアカラーを開発しています。一方で、セルフカラーは自分で染めるため、ムラなく塗りやすい薬剤(クリーム・乳液・泡)やクシ・はけなど、“使いやすさ”を重視して開発しています」
長引く、物価高騰…セルフカラーも上手に取り入れながらキレイな髪を保ちたいものですね。
白髪を増やさないために…対策は?
先ほど、白髪になるパターンは3つあり、黒髪に戻る可能性もあるとお話しましたが、自分の毛がどれに当てはまるのか調べることは、今の技術ではできないそう…であれば、一度白髪になっても黒髪に戻ると信じて、あるいは今よりも増やさないために対策をしておくしかありません。伊藤さんに今日からできる白髪予防法を聞きました。
まずは、食事。白髪予防にいいとされている栄養を含む素材は…
【食事編】
■元気な髪を作る
タンパク質(乳製品・肉類・魚介類・卵・大豆)
ビタミン・ビタミンB(レバー・豚肉・魚)
ビタミンE(卵黄・うなぎ)
■髪を黒くする“メラニン合成”のサポート
亜鉛(牡蠣・レバー・海藻・ナッツ類・大豆・黒ごま)
銅(干しエビ・レバー・ほたるいか・ナッツ類)
カルシウム(乳製品・小魚・海藻・大豆・黒ごま)
しかし、こんなにたくさんの中から選ぶのは、正直難しいですよね。伊藤さんは特に「豚レバー」「卵」「ナッツ」「うなぎ」「豆乳」がおすすめだと話します。
さらに、頭皮マッサージも有効とのこと。
【マッサージ編】
①頭頂部の「百会(ひゃくえ)」というツボを後ろ側に引くように指で1分間押す。「百会」は、両耳を頭頂部に向かって結んだ線と、顔の中心線が交わるところです。
②眉間の延長線で、髪の生え際よりも1㎝ほど上にある「神庭(しんてい)」というツボを出発点に、両手で後ろへずらしていく。3か所それぞれ30秒。
そのほか、ヨガやホットタオルなどでリラックスすることもストレス軽減に役立ち、予防につながるということです。
今年も異常な猛暑を記録しました。この夏の紫外線などのダメージが現れるのは、10月11月ごろ。肌はもちろん、頭皮にもダメージは蓄積されています。毛周期(=毛が生え替わるサイクル)は、一般的に3~7年と言われています。数年後の自分のために、正しい知識のもと、予防・ケアを心がけたいですね。
【CBCテレビ 報道部・池田有希】





