「毎日怖い」…岐阜・高山市でクマ目撃情報400件超も早朝の新聞配達「夜中の仕事で音を出すのはタブー!クマよけの鈴持てない」

11月13日午前3時半頃、岐阜県高山市の新聞販売店「滑川新聞店」。スタッフは72人で、約9000部の新聞を毎朝配達します。
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(滑川新聞店 新谷健一店長)
Q.できるだけ家の近くまで?
「歩く距離はどれだけでも短くしたい」
クマに用心しながらの配達です。高山市内での今年度の目撃情報は、11月13日までで402件。これは過去最多の2014年度の475件を上回るペースです。
少しでもクマと遭遇するリスクを減らすため、新谷店長は配達先の玄関にできるだけ車を近づけて、歩く距離の短縮をはかります。しかし…
(新谷店長)
「音を出して存在感を出すのがいいって聞くけど、夜中の仕事なので音を出すのは一番タブー」
クマよけの鈴も持てず「明るくなってから配達できれば…」
配達時間は、主に午前3時半~午前5時ごろまで。多くの人が寝息を立てている時間帯のため、「クマよけの鈴」は持つことができないのです。
(新谷店長)
「車の音でも苦情を言う方がいる。足音でも結構苦情が来る。明るくなってから配達できればありがたいが、決まった時間に正確に配るのが一番大事な仕事。クマ(で危険)だと言いながら普段通り」
北海道ではことし7月、新聞配達中の52歳の男性スタッフがクマに襲われ死亡しました。もう他人事ではありません。
高山市の新谷店長の新聞販売店では、いまのところクマを目撃したスタッフはいないといいますが、近くの別の販売店では、目撃したスタッフがいるそうです。
防犯ブザー携帯も、事前に危険回避はできず…
(新谷店長)
「今まで以上に身近にクマの存在を感じる。(スタッフの)皆さん怖いと思っている」
では、もし配達中にクマに遭遇したらどうするのか?
(新谷店長)
「防犯ブザーが唯一の守り神」
配達スタッフの要望を受けて、ことし希望者に配りました。ただ、この防犯ブザーも、事前に危険回避するために音を出すものではありません。
(新谷店長)
「これ(防犯ブザー)で十分とは全く思っていない。寄せ付けないような手段を取りたいが難しい」
クマと出くわす恐怖が常につきまとう、暗闇の中での配達仕事。ジレンマを抱えたままです。





