本屋さんの店員がまさかの“絵本作家”に 「絵は独学」デビュー作は自身の家族をモデルにした“カッパの家族の物語” 愛知・豊明市

本屋さんで見かける、おすすめ本などを紹介するポップ。それに描かれたイラストが「おもしろい」と出版社の目にとまり、愛知県豊明市の本屋さんで働くおかあさんが、絵本作家デビューしました。絵は独学というおかあさん。デビュー作は、自身の家族をモデルにした、カッパの家族の物語でした。
愛知県豊明市の「精文館書店豊明店」。
中に入ってみると、カッパの格好をした人たちが。いったい、どうして?
「新しく発売したおすすめの絵本がありまして、キャンペーンで、みんなでカッパの格好してます」(精文館書店豊明店 菅原昭憲 店長)
店長がすすめる絵本とは、5月10日に全国の書店で発売の「カッパのあさごはん」。
なぜ、店長がこんなにも猛プッシュするのかというと、実は、この書店の現役スタッフが描いたものだというのです。
その人は、パート社員として働く都築智子さん。
もともと絵を描くのが得意で、お店で絵本の紹介をするポップを作っていたところ、出版社が主催する本のディスプレイコンテストでグランプリを受賞。
すると、驚きのオファーが。
「きれいに描こうとか、かわいく描こうという飾り気がなかった。(ウケを)狙いにはいってなくて、自分の思っていることを伝えたいという意欲が伝わってきた。こんなに描けるなら、絵本とか、そういうものも挑戦してみたら?と」(児童書の出版社に勤める 北林光江さん)
児童書の編集社から絵本を書いてみないかと声をかけられ、旧姓の小山と現在の姓の都築を合わせた「小山つづき」のペンネームで絵本作家デビューすることに。
母であり、書店員である上に絵本作家になった智子さん。
「まだ全然、実感がなくて、朝起きて夢じゃないんだって感じです」(智子さん)
デビュー作「カッパのあさごはん」は自身の家族がモデル。
言うことを聞かない子どもたちに怒ることもあるけど、いつも笑顔のお母さんカッパは智子さん。
子どもたちがピンチになると、気づかれぬように捨て身で手助けするお父さんカッパは夫の哲男さん。
かわいい兄弟ガッパたちが、あさごはんの材料を求めて旅に出る物語です。
昔から絵を描くことは好きでしたが、きちんと習ったことなどはなく、全くの独学だという智子さん。
日常の何気ない風景など時間を見つけてはスケッチをしていました。
書店員が、まさかの絵本作家デビュー。
週末には書店員の業務として、自分の本のイベントを行うという不思議な展開に。
「ひとつのことを頑張ったら、いつか成功するのかなって思いました。絵を描くことを仕事にできたことがすごくうれしいですね」(智子さん)
中京テレビ 「キャッチ!」5月9日放送より