100頭以上のイルカ“大群”が三重県沖に… パトロール中の海保の職員が発見

三重県の沖で23日、100頭を超えるイルカの大群が撮影されました。海面を埋め尽くすほどのイルカたち。なぜ、三重県の沖合に現れたんでしょうか。
23日に海上保安庁が上空から撮影した映像。
画面いっぱいに点々と水しぶきが…。別の角度から見ると、海面に多数のイルカが泳いでいるのが分かります。勢いよく潜ったり、泳いだりと大群となるとなかなかの迫力。
この群れに遭遇したのは、海上をパトロールしていた、2人の隊員でした。
第四管区海上保安本部 中部空港海上保安航空基地 柿木恵 機長:
「最初は魚かなと近づいてみたらイルカだった。普通イルカは5~6頭とかはしょっちゅう見ますが、あれだけの大群というのがあまりないので。100か200(頭)はいたんじゃないかな。私は初めて見たのですごいなと」
15年機長として勤務する柿木さんも初めて見た光景だといいます。
第四管区海上保安本部 中部空港海上保安航空基地 井坂考宏さん:
「数の多さに圧倒されましたし、何よりも泳いでいる範囲がすごく広く、撮影も難しかったなと」
2人がイルカの大群を見つけたのは、三重県尾鷲市の三木埼灯台から10キロ沖合と、海岸からかなり近い場所でした。
この現象はいったいどういうことなのか。イルカの生態に詳しい専門家に聞くと。
三重大学大学院生物資源学研究科 吉岡基 教授:
「カズハゴンドウの群れであることはほぼ間違いない。この種類のイルカは数十頭から数百頭の大きな群れをつくる」
撮影されたのは、「カズハゴンドウ」というイルカの一種。体長は約2.7メートルで、ほかのイルカと比べると、頭が丸くくちばしがないのが特徴だといいます。
100頭以上のカズハゴンドウ、もしかして、とっても珍しいのでは…!?
三重大学大学院生物資源学研究科 吉岡基 教授:
「今回の発見がすごく珍しくはなくて、(カズハゴンドウは)秋から冬に三重県沖を大きな群れで通過している。あれだけ大きな群れが撮影されていることに意味がある」
この大群は紀伊半島に沿って南西方向に向かっていったという事ですが、ちょっとレアな瞬間も捉えられていました。
三重大学大学院生物資源学研究科 吉岡基 教授:
「よくみるとその中に普通のイルカ、水族館で見るようなくちばしがとんがったイルカが混ざっているように見える。バンドウイルカも混ざっているかもしれませんが、1つの種の群れではなくて、別の種類のイルカが混ざって移動している」