お米の売り上げは“中古ランドセル”の送料に 貧富の差進む外国に中学生たちが支援 愛知・知立市

愛知県・知立市の中学生たちが、貧富の差で苦しむ外国の子どもたちを、遠く離れた日本から応援する活動を行っています。送るのは、“中古のランドセル”。お米を売って送料にしたりと、奮闘が続いています。
「いらっしゃいませ」と、お米を売っているのは知立南中学校の生徒たち。自分たちで立ち上げた「リアライズ」という団体で国際支援をしています。
お米を売っている理由は、日本の中古ランドセルを海外へ送るためです。お米の売上金を発送費用にあてています。彼らの思いに賛同した、地元の農事組合法人「アグリ知立」が、お米を無償で寄付してくれたのです。
ランドセルの届け先は、知立市から遠く離れたフィリピン中部にあるボホール島の子どもたち。ボホール島は自然豊かなリゾート地である一方、道など舗装されていない場所も多く、貧富の差もあるといいます。
すでに2回、ランドセルを送ったという「リアライズ」。
彼らが、フィリピンの子どもたちにランドセルを送ることになったきっかけは、フィリピン・ボホール島出身のミシェレさんの思いを聞いたことがきっかけでした。
ミシェレさんは、外国人が多く住む知立団地で、外国人の生活支援などを行う会社に勤めています。
「小学校の時、(友達が)学校のかばんがなくて、スーパーのビニール袋を使って(学校に)通っていた」(ミシェレさん)
ミシェレさんの「フィリピンの子どもたちにランドセルをプレゼントしたい」という思いに生徒たちも賛同し、一緒に支援活動を行うことになったのです。
10月末、「リアライズ」のメンバーたちは、ランドセルの発送準備をしていました。
ランドセルを長く使ってもらえるようにと、思いを込めて作業するのは、ブラジル国籍の永塘ルーカスくん。
同じ外国人として自分も役に立てるのではと思い、国際支援に興味を持ったといいます。
この日、フィリピンとテレビ電話がつながり、中古ランドセルを受け取った人と、直接話をすることができました。
「みんな喜んでいました。ランドセルだけでなく服や靴もあってうれしかったです」(ボホール島の女性)
今年1年生になったアルカンヘルくんは、テレビ電話の間、ずっとランドセルを離さず大事そうに抱えていました。6年間、ランドセルを大事に使うことも約束してくれました。
今後の活動について、「リアライズ」のメンバーたちは-。
「また新しい活動を考えてお金をためて、少ない人数でもいいからフィリピンへ行って、現地で何かできたらいいなと、新たな目標ができた」(知立南中学2年 近藤大晴さん)
画面越しでみた笑顔を、今度は直接見られることを夢見て、彼らの活動は続きます。