トコトン聞いてみた　命にも関わる？冬のお口トラブルに要注意

冬こそお口のトラブルに気を付けなければいけない季節なんです。

お口のケアをおろそかにすると最悪の場合、命に関わることになるかも？12月2日は、冬のお口トラブルについて、愛知県歯科医師会の内堀典保会長に聞きました。

冬はお口のトラブルに要注意の季節ということなんです。

空気の乾燥が大きく影響しているということです。

一般的に、鼻から吸った空気は鼻であたためて、加湿されて、器官に入っていくため、口の乾燥を防げるといいますが、冬は空気が乾燥しています。

ですので、鼻呼吸で体内に入る空気を加湿しても、どうしても口の中が乾きやすくなってしまうということです。

さらに今はマスクをしていますよね。知らず知らずのうちに口呼吸になっている人も。
口呼吸というのは、空気の加湿ができず、ダイレクトに乾燥した空気が器官に入ってしまう、そのため乾燥して唾液の分泌量も減り、乾燥の負のスパイラルに陥ってしまうんです。

口の中が乾燥すると雑菌・細菌が繁殖しやすくなり、お口トラブルが起きやすくなるということなんです。

トラブルは大きく2つあります。まずは虫歯。悪化すれば歯を抜かなくてはいけなくなることもあります。

歯を抜いた場合に関する興味深いデータがあります。65歳以上で、歯が20本以上残っている人と、19本以下で義歯など使用していない人と比べたところ、転倒リスクというのが、19本以下の人はリスクは2.5倍です。

歯がないとかみ合わせがうまく合わず、踏ん張るときにうまく力が入らない。だから転びやすくなるということなんです。

転倒すると骨折などの大けがをしたり、高齢の方ですと寝たきりになってしまう可能性もありますので、気を付けなくてはいけません。

続いてのトラブルが歯周病です。糖尿病と深いつながりがあるんです。

内堀会長によりますと、歯周病の毒素が体内をめぐることで、食後の血糖値を下げるインスリンの作用を阻害してしまうんです。

糖尿病患者は治療の際、歯周病を直さないと糖尿病治療の効果はない、といわれるほど相互関係が強いんです。

これだけではありません。歯周病というのは、常に口の中が炎症を起こしているわけですから、歯周病菌が肺に入り込んで、肺炎を引き起こしたり、また歯周病菌は子宮を収縮する作用もあるため、妊婦さんが歯周病を患っていると早産を引き起こしたりするリスクもあるということです。

歯周病は虫歯と比べると痛みもでにくいので、なかなか自分では気付けない。さらには40代からは、だんだんと歯茎が下がり始めて、どれだけ丁寧にケアしていても、歯周ポケットができて歯周病のリスクは年齢とともに高くなるんです。

口の中の雑菌を取り除くのは、お口ケアしか防ぐ手立てはないので、内堀会長によれば、朝起きて1回のデンタルリンスと、朝・昼・夕の食後、そして寝る前の4回の歯磨きが大切だということです。

歯磨きの仕方としては、歯ブラシは「普通」のかたさがおすすめだそうです。
優しく鉛筆持ちで握り、ゴシゴシと力を入れすぎると歯のエナメル質が削れるので避けて磨いてください。

歯間ブラシもセットで行ってくださいね。