名古屋の小学校で“正座体罰” “隣に質問”で椅子の上に40分 児童の足には傷

名古屋の小学校で3年生への体罰が明らかになりました。児童が強いられたのは正座。保護者によると、椅子の上で40分も正座させられたといいます。教室の中で何が起きていたのでしょうか。

13日、名古屋市内でカメラの前で切実な思いを語る女性。
被害を訴える保護者:
「事実をしっかりと認めて反省してほしいです。そしてもう教壇には立ってほしくない」

見せてくれたのは息子の傷ついた足首の写真。
被害を訴える保護者:
「小学3年生の息子がけがをして帰ってきました。理由を聞くと、正座をさせられて、椅子の後ろの縁のところで長時間すれたものだから、皮がめくれ血が出てしまったと (息子に)聞かされました」

女性によりますと、10月、名古屋市港区の小学校で、3年生の息子が授業中に女性教員から30分から40分にわたって椅子の上で正座することを強要されたといいます。
息子は、授業に関することを隣の児童に聞いただけだったというのですがー。
被害を訴える保護者:
「『しゃべっただろ正座しろ』と息子の話も一切聞かず、『正座しろ』と言われたそうです。息子は精神的にも肉体的にもかなり傷ついた状況です。次の日もずっと泣いていました」

女性の訴えなどを受け、学校は調査を開始。13日、保護者説明会が開かれました。
保護者説明会での学校側の話:
「9月中旬から10月中旬にかけて、社会科や書写の時間に正座をさせられた児童がいたことは、学校として事実としてとらえます。2人の児童がけがをしていることを踏まえ、 学校としては体罰ではないかと判断しました」
学校側は、女性教員が複数の児童に正座を強要していたことを認め、謝罪。さらに、学校として体罰であると判断したことも説明しました。
女性教員は、「授業に関係のないことを話したら正座させることがある」と児童に話していたといいます。

また、授業中にトイレに行くことや、水分補給を望んだ児童に対して、認めずに我慢させたという事例もあったということです。
女性教員は、学校の聞き取りに対して…
保護者説明会での学校側の話:
「『授業を一番に考えすぎていた』『正座をしないといけない雰囲気にさせてしまって、けがまでさせた』と反省しています」
一方で…。
保護者説明会での学校側の話:
「(女性教員は)『個人に強要したつもりはない』と言っている」
文部科学省が2013年に出した体罰に関する通知では、正座などが肉体的苦痛を与える例として示されています。

なぜ、体罰は無くならないのか。専門家は…。
名古屋大学 内田良 教授:
「体罰ってある意味で便利。言葉によって丁寧に説明するよりも、身体的な指導はその場ですぐにできてしまう」
足首にけがをした児童の保護者は警察に被害届を提出。名古屋市教育委員会は、今後、さらなる調査を進め、女性教員の処分を検討するとしています。





