1年延期で孫達の勇姿見られず逝く…ホッケー五輪代表の永井姉妹 “おじいちゃん”に捧げる夢舞台の初勝利

東海テレビ
07.23(金)00:00

 前回のリオ五輪で惨敗し2度目のオリンピック挑戦となる、ホッケー日本代表の永井葉月選手(26)と姉の友理選手(29)。2人には、東京での勇姿を最も見せたい人がいました。ずっと励まし続けてくれた祖父の千治さんです。

 オリンピックが1年延期される中、千治さんは孫の勇姿を見る事なく、今年1月に亡くなりました。姉妹で挑む2度目のオリンピック。永井姉妹は夢舞台の初勝利を千治さんに捧げます。

■父は代表監督・母は元選手…3人の子供が全て日本代表のホッケー一家

 2016年6月。岐阜県各務原市の永井一家。父・祐司さんは当時、日本代表の監督で、母・理重子さんも元日本代表の選手。そして弟の祐真さんも東京オリンピック男子ホッケー代表に選ばれた、知る人ぞ知るホッケー一家です。

父の祐司さん: 「(娘たちには)自分からはあんまり話さない。子供たちが話したいことがあれば、話聞くだけ」 友理選手: 「祐司さんも言っていたんですけど、自分たちは家族とかいう意識がないというか、チームの一員…」

「お父さん」ではなく「祐司さん」と名前で呼ぶのが、永井家の日常です。永井家で一際明るい笑顔でおしゃべりをするのが、ホッケー未経験の祖父の千治さん(当時84)です。

祖父の千治さん: 「さくらジャパン(女子ホッケー日本代表)には、“信ずる者に勝利あり”って言葉を送っとるんだ。自分の心を、チームメイトを信じ戦うことが勝利につながるよと」 「勝利は必ずしも敵に勝つ事じゃなく、幸せな結婚するとか、幸せな人生を送ることが勝利。それは信じなきゃダメ」。人生についてもおじいちゃんは語ります。 葉月選手: 「おじいちゃん、おばあちゃんから教わる事が多くて、最後はすごくいい話で終わる」

■「五輪出なければ良かったと思うぐらいショック」…姉妹で挑んだリオは惨敗

 ホッケー一家に、おじいちゃんは欠かせない存在です。 友理選手: 「常に面白いこと言って人を笑わせたりとか、そういうおじいちゃんだったんでチームメイトを家に呼んで、なぜかおじいちゃんの言葉を最後みんなで聞くという、謎の集会もありました」

千治さん: 「信ずる者に勝利あり、頭入れておいて」 「信ずる者に勝利あり」。この言葉の意味を肌で知ることになったのが、リオ大会でした。  父と姉妹の家族3人で初めてのオリンピックの舞台。オリンピックという独特な空気に飲まれ、本来の実力を発揮できず、チームは1勝もできず惨敗。家族にとっては思い出したくない苦い過去となりました。

友理選手: 「もうオリンピック出なかったらよかったと思うぐらいショックだった」 葉月選手: 「あれだけ結果残しますって言ってたのに、結局何も残らなかったし…。ずっと引きずりましたね」

 帰国後、周りからは「家族旅行」と揶揄されたこともありました。さらに、父・祐司さんは代表監督を解任されました。 母の理重子さん: 「会話は極端に減りましたね。燃え尽き症候群まではいかないですけど、次のことを考えられないような感じで」  姉と妹の2人の気持ちは、離れつつありました。

■「美しい笑いは家の中の太陽である」…おじいちゃんがバラバラになった2人に送る言葉

 リオ五輪後に取材しました。

友理選手: 「一緒の家なので会うことはありますけど、しゃべることはあんまりないかも」 葉月選手: 「全然喋らないですよ、本当に。バラバラなんで…」  家族だけどお互いのことを話さなくなった2人に、おじいちゃんが、ある言葉を送りました。

「美しい笑いは家の中の太陽である」 千治さん: 「美しい笑いということは、人を蔑んだり馬鹿にした笑いではなくて、生活の中で心から喜べること。笑い声で話をする、それが家の中を明るくする、ということだな」

 裏には直筆でこんなメッセージも綴られています。 「笑顔は人間関係の潤滑剤です。『家族だから何を言わなくてもわかる』ではなく、どんな事でも言い合い、笑顔で元気を与え合う家庭はたとえ何があっても力を合わせて乗り越えられる」

■「信ずる者に勝利あり」…おじいちゃんの言葉を心の奥におき前に進む

 2017年、葉月選手はリオでの悔しさを晴らすために、ある決断をしました。

 武者修行のため、単身で強豪国スペインやオランダへ。葉月選手は身長152センチ、世界の大きな選手とぶつかっても倒れない体の強さを鍛えようとします。また、自分の心を信じ、目の前のチームメイトを信じ、ピッチを走り回ることを目指します。

「信ずる者に勝利あり」。おじいちゃんが教えてくれた言葉です。 葉月選手: 「自分の持っている力を信じて発揮することで、チームに貢献できたり…。信じるということを、常に心の奥底に置いています」  東京オリンピックまで残り1年となった2019年7月。永井家を訪ねると、葉月選手は、おばあちゃんに料理を教わっていました。ホッケー以外の新しい家での過ごし方で、家族との時間も大切にします。

千治さん: 「料理は味じゃない、この人がこういう味が好きとかを早く見つけて、その人に合うものを作るかっていうのが料理」

「美しい笑いは家の中の太陽」 千治さん: 「(東京での孫の活躍を)見たい見たい。一番心配しているのは私の体かな。それこまで持ってほしいなと。いい成績残して、後はこの子たちが結婚してくれれば…」

■姉妹で五輪初勝利を…おじいちゃんに捧げる夢舞台での勇姿

 東京で活躍した姿を見せることが、葉月選手の叶えたい夢です。しかし、オリンピックが1年延期となり、そ今年1月におじいちゃんは天国へと旅立ちました。

「1年延期にならなかったら…」という気持ちが幾度となく湧き上がってきます。 葉月選手: 「すごくポジティブにしてくれていた存在で、本当に家族の太陽みたいな存在だったって…」

「最近、お姉ちゃんと仲良くなったよ」と葉月選手が伝えると、ニコっと笑ったのが最期だったといいます。亡き祖父に見せたかったオリンピックでの勇姿です。

友理選手: 「自分のプレーに納得する事を目標にしているので、そのプレーをおじいちゃんに見せたいと思います」 葉月選手: 「会場で楽しんでプレーしているところと、笑顔で喜んでいる姿を見せたいと思います」

 いざ五輪の舞台へ。永井姉妹は、オリンピックでの初勝利を祖父・千治さんに捧げます。

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