高校生たちが“エコカー”レースに挑戦「制限時間内に何周走れるか」 先輩から受け継いだ車両で今年こそ優勝を! 愛知・豊橋市

愛知県でエコカーレースが開催されました。高校生たちが全力で競ったレースのルールはたった一つ、「どこまで走れるか」です。その姿に密着しました。
今月12日、愛知県豊橋市内の自動車学校に総勢12校、約120人の高校生たちが集まっていました。
今年で20回目になる「高等学校エコカーレース総合大会」。
高校生たちが手作りした“エコカー”でレースをすることで、省エネ技術などを学んでもらうのが目的です。
コースは1周500メートル。各チームは決められた電気エネルギー量で何周走れるかを競います。
レースは電池残量との勝負です。
戦いに備える男子たちのなかで、ひときわ華やかなピンクの作業着で女子が2人。
愛知県立三谷水産高校の機関部のドライバーです。
本番2日前。部員たちは部室で大会前の最終調整をしていました。
三谷水産高校は、前回大会(2019年)で準優勝の強豪校です。
しかし、部室のトロフィーは銀と銅ばかりで優勝は1度もありません。
3年ぶりの今年こそは、優勝したい…。
今回、勝利の鍵を握るドライバーは水産食品科3年生の2人、河井那奈さんと小野冬華さん。
「(体重が)軽い方が重りのバランスなどを調整しやすいのでやっぱり有利」(小野冬華さん)
体重の軽い2人がドライバーに選ばれたのです。
2人で切磋琢磨して練習してきました。
2人を乗せるのは先輩から受け継いできた“Submarine”(サブマリン)です。
約7年前に作られたボディーを部員たちが整備して使っています。
「潜水艦の形をモチーフにした形で、空気抵抗をなくす形になっています」(機関部 顧問 佐々真一先生)
さすが水産高校!走りやすいように潜水艦の形をした車両で工夫を凝らし、好成績を狙います!
果たして優勝することができるのでしょうか。
レース本番前に河井さんを直撃。
「優勝は多分できない。ほかの強い学校がいるので…きついですね」(河井那奈さん)
他の強豪校を前に自信がなさそう。
いよいよレース本番!
競技中の無線は小野冬華さんの担当で、最初のドライバーは河井那奈さんです。
そして、いっせいにスタート!制限時間は40分。
エコカーレースではスピードが出にくい車体は不利ですが、最初に飛ばしすぎて、あとから走れなくなっても優勝は遠のきます。エネルギー配分も重要な勝敗の分かれ目。
「おかしい 今のおかしい。(他の車が)絶対、中側に入ってきた」(河井那奈さん)
興奮と緊張が隠せず思わず声が出てしまいました。大丈夫なのでしょうか
そして、2位だった河井さんが1位に躍り出ました。
「今トップを走っている状況で、あと(制限)時間さえ終わってくれれば」(佐々真一先生)
問題はここから最後までスピードを保ったまま走りきれるかどうかです。
果たして結果は…?
2位と大差をつけての優勝!第20回目にして念願の初優勝です!
「頑張りました。うれしいです。びっくりしてるし、うれしいです」(河井那奈さん)
控えめだった河井那奈さんも優勝を手にして笑顔に。
別のレースにエントリーしていた小野冬華さんも大健闘で、15台中6位の成績でした。
「後輩にしっかりとドライバー技術のことを引き継いでいきたい」(小野冬華さん)