白熱“藤井聡太五冠”タイトル防衛戦のウラで繰り広げられた「別の熱い戦い」 去年は「洋」…今年の勝負メシは「和・洋・中」のどれ?

タイトル防衛戦に挑んだ愛知県瀬戸市出身の藤井聡太五冠。その激戦のウラで、実は“勝負メシ”の熱い戦いが繰り広げられていました。
15日、名古屋市中区の名古屋東急ホテルに現れた、藤井聡太五冠。
自身が持つ“叡王”のタイトル初防衛がかかる“叡王戦五番勝負 第2局”に挑んだのです。
挑戦者は、藤井五冠よりもプロ歴の浅い、いわゆる後輩の棋士にあたる出口若武六段。
対局は、出口六段の先手で始まりました。
対局場となったのは、ホテル最上階にあるスイートルーム。
去年同様、今年もこの場所に畳をしき、特設の対局場を設営しました。
その際、藤井五冠は、この場所で、豊島将之九段に敗れているのですが、対局を行ったことで、ホテルにとっては、こんなうれしい影響がー。
「勝負メシで(藤井五冠が)コーチンカレーを召し上がり、ファンの方々も召し上がって、好評だったと聞いている」(名古屋東急ホテル 伊藤紀代美さん)
そこで、ホテルでは、今年も、和・洋・中、3つのジャンル、8品を用意。
去年、藤井五冠が選んだ「洋」からはー。
「去年負けているので、今度は勝っていただきたいなという思いで、カツカレーを用意させていただきました」(名古屋東急ホテル 前島浩之 総料理長)
藤井五冠が選んで負けてしまった名古屋コーチンカレーを変更。今年は、地元ブランドの豚ロースカツをのせ、“勝つ”と縁起を担いでいます。
名古屋コーチンは、新たなメニューで使うことに。
「前回はカレーに使ったが、今回はオムライスということで、コーチンのお肉とコーチンの卵を両方使って、オムライスに仕上げています」(前島 総料理長)
名古屋コーチンの濃厚な卵とコクのある肉をつかった名古屋コーチン親子オムライス。
そして、国産牛を使ったローストビーフ丼。
洋食は、3品を用意しました。
続いて、和食。
「どちらの対局者にも栄養をつけて、その後の対局を頑張っていただけたらなと思う」(名古屋なだ万 亀貝進 料理長)
和食は、去年、豊島九段が選び勝利した、西尾一色産のうなぎを使った“ひつまぶし”をはじめ、旬の食材をふんだんにのせた“天丼”、名古屋メシの“天むすとうどんのセット”の3品を用意。
そして、去年は選ばれなかった中華はー。
「ぜひ食べていただきたい思いでつくっているので、食べて頑張っていただければと思っています」(南国酒家 名古屋店 坂田博幸 料理長)
“チャーシュー入りネギつゆそば”と“担々麺”の2種類を用意しました。
縁起を担いだ「洋」か。勝利をもたらす「和」か。今回こそは選ばれたい「中華」か。果たして選ばれたのはー。
対局は、混沌(こんとん)を極めました。
同一局面が4回現れ、膠着(こうちゃく)状態になったため、「千日続けても終わらないことに由来する」“千日手”が成立。
これにより、先手後手を入れ替え、初めから指し直しとなったのです。
今度は、藤井五冠が先手。
指し直しから約2時間半後、75手で藤井五冠が勝利。
これで、タイトル防衛に王手をかけたのです。
「途中、序盤で失敗してしまって、どう勝負するかという展開となったので、千日手は仕方ないかなと」(藤井聡太五冠)
“千日手”となるほど拮抗(きっこう)した戦い。
和洋中、勝負メシの行方は-。
「名古屋コーチン親子オムライスを二人とも選んでくれたのはうれしく思う。きのうのお二人の食べ終わった後は、きれいに食べていました」(前島 総料理長)
なんと、藤井五冠、出口六段ともに、“名古屋コーチン親子オムライス”を選択していたのです。
まさに、力の源となった“勝負メシ”。
名古屋東急ホテルでは、このオムライスを16日から特別なセットで提供しています。
中京テレビ 「キャッチ!」 5月16日放送より