高速道路のPAの一部でごみ箱を撤去 背景に大量の持ち込みごみ、バーベキューの網や食べ残しまで

ネクスコ中日本名古屋支社が、高速道路の一部のパーキングエリアでごみ箱を撤去しました。原因は「ごみ捨てマナー」をめぐる深刻な問題です。
「東海地区の一部のパーキングエリアから、ごみ箱を撤去しました」
ネクスコ中日本名古屋支社のXにこんな投稿が。これまでの表示回数は約2400万回と、大きな反響がありました。
岐阜県各務原市の東海北陸道・川島パーキングエリアの上り線を取材してみると――。
「あたりを見まわしても、いつもあるはずのごみ箱が見当たりません。代わりに『ごみ箱撤去』の貼り紙があります」(石神愛子アナウンサー)
この場所には、1カ月前までごみ箱が置かれていました。
ネクスコ中日本名古屋支社は、10月半ばから東海3県で53あるパーキングエリアのうち、トイレと自動販売機だけしかない11カ所で順次ごみ箱を撤去しました。
「持ち込みごみの投棄が多く、『やめてください』と呼びかけもしていた。それでも改善されないことが続いていたので、今回トイレ・自動販売機のみの一部のPAのごみ箱を撤去した」(NEXCO中日本 名古屋支社 高畑猛さん)
バーベキューの帰りにそのまま捨てる?

背景にあるのは「持ち込みごみ」を捨てるなどの“ごみ捨てマナーの悪さ”です。
実際に捨てられていたごみの写真。汚れた網や串に刺さった肉、キャベツなど、バーベキューの帰りにそのまま捨てたかのようなごみです。
「通常、高速道路の施設を利用する中では発生しないような、大きなごみ袋が入っていたりということは確認しています」(高畑さん)
持ち込みごみを捨てないように繰り返し呼びかけてきましたが、一向に改善しなかったことから、撤去を決めたといいます。
利用者からは――。
「10月の初めくらいには、ごみ箱がなくなっていたので、とっちゃったんだなという感じではいました」(岩手から来た人)
Q.ドライバーにとってPAのごみ箱は?
「必須ですよね。どうしてもやっぱり」(岩手から来た人)
「なくなってもいいかな。ちょっと不便ではあるかなと思う」(富山から来た人)
「ここをよく使うけど、いつもごみが山になっていて、スタッフが一生懸命掃除をしていたので、大変だなと見ていました。みんなで慣れていけば、もっときれいになっていくのではないかと思います」(川島PAをよく利用する人)
東海環状道の岐阜三輪PAでも――。
「高速道路は有料で決して安くないので、設備投資はしてほしい」(高山から名古屋へ行く人)
撤去後も“置き去り”が

ただ、ごみ箱を撤去しても――。パーキングエリアの一角には、紙コップや空き缶、空のペットボトルなどが捨てられていました。
トイレでも、個室にごみを置き去りにするような行為が後を絶たないといいます。
さらに、自動販売機の近くにある分別回収ボックスに紙コップなどを捨てる外国人観光客の姿も。
プラスチックの容器やティッシュなどのごみも入れられていました。
「私が思うに旅行者にはごみ箱はあったほうがいいと思う。ないと食べもののごみとかを投げ捨ててしまう人もいる」(台湾からの観光客)
かえってコストがかかるという指摘もありました。
さまざまな反応が広がるパーキングエリアのごみ箱の撤去。ごみ捨てマナーの改善につながるのでしょうか。





