チョコの祭典”アムール” ランキングの中間発表でシェ・シバタ8位…タカシマヤ「推し活でリアル客を」

日本最大級のチョコレートの祭典、アムール・デュ・ショコラが現在開催中です。今回は「推し活」がキーワードとなっていますが、その背景には百貨店が無視できないある事情がありました。
11年連続で売り上げ日本一 今年は推し活でリピート客を取りこむ

撮影に応じる佐野恵美子シェフ
日本最大級のチョコレートの祭典「アムール・デュ・ショコラ」が名古屋のタカシマヤで開かれています。 (客)「いろんなチョコレートも見られて、むちゃくちゃ楽しいです」 (客)「ここに来ないと買えないものが多いので、つい来ちゃいますね」 バレンタイン関連としては2010年から11年連続で売り上げ日本一を記録した巨大催事。会場ではよくこんな光景を目にします。 (シェフ)「じゃあ一緒に撮ろう!ピースお願いしますー!ハイチーズ」 客とシェフが直接触れ合うことができるのが、このイベントの特徴です。 本番数日前。取材したのは、人気パティスリー「シェ・シバタ」の柴田武シェフです。イベント本番に向けて仕込みの真っ最中でした。 幻のカカオとも呼ばれるホワイトカカオを使用した限定クッキー。 (柴田シェフ)「やっぱり香りが違うというのが一番。さらにチョコレート感、カカオ感というのを口に入れた時に感じてもらえる」 自信作をひっさげ、当日に臨みます。 (柴田シェフ)「日本中からかなり注目されているチョコレートのイベントなんですね。自分の商品をしっかり作りこんでお客様に伝えていくことしか考えていないので。自分たちが作ったものがどれだけ、お客様から評価を得られるのか」
ドル箱催事でも危機感 EC市場の規模が2倍以上に急拡大

去年の売上ランキング オードリーが1位
柴田シェフの言う評価とは、会場で発表されてきた「売上ランキング」のことです。ただ今年は、売上だけではなく「推しブランド」という新たな指標が加わりました。つまり、ブランドの人気投票です。 来場者は会場内に掲示されているQRコードを読み取り、専用サイトから投票。実際に会場を訪れた人だけが参加できる仕組みです。 (名古屋タカシマヤ 柴田さん) 「自分が楽しむだけではなくて、同じ共通の価値観を持った方同士がそこで繋がっていくというのが今の推し活ブーム。お客様が楽しんでいただいて、もう一回来たい、会期中にもう一回ここに来たいと思っていただくことが非常に重要だと」 「リピート客」を含め、貪欲に来場者の増加を狙うのには、あるワケが… (名古屋タカシマヤ 柴田さん) 「オンラインのいわゆる楽天市場さんやAmazonさんというところが、10年、20年前と比べて非常に伸びていると。コロナ禍になって、そういった売り上げ規模も伸びている」 ネット通販を含むEC市場は年々拡大し、おととしまでの10年で規模は2倍以上に。 タカシマヤとしては、こうした層をリアルな店舗に引き戻したいと考えていました。 (名古屋タカシマヤ 柴田さん) 「基本的にお客様がご自身の都合に合わせてリアルで買ったり、ネットで買ったりと選択肢が別れているだけかなと。競合し合うというよりはうまく使っていただけるように、リアルの方の魅力をどう上げていくか。それが我々の重要な取り組み内容かなと」 ドル箱催事でリアルな客をさらに取り込むー。推しブランドを全面に打ち出した新しいランキングには、こんな思惑があったのです。
リアルな店舗の強みは感動と共感 客と一緒に作り上げていく催事で買い回り効果も

シェ・シバタは150ブランド中で8位
アムール・デュ・ショコラが始まって数日後。シェ・シバタの前にはこの行列。柴田シェフも大人気です。来場者に、推しブランドを聞いてみました。 (来場者)「シェ・シバタです。はっははは」 (来場者)「やっぱりオードリーですかね。一番目に付くというか、みんなに人気なので私も応援したい」 (来場者)「シェ・シバタです。柴田シェフ(が推し)です。チョコレートもおいしいですし、ファンに対してのサービスが本当に熱い方なので」 この日はランキングの中間発表があります。柴田シェフが向かいます。参加するおよそ150ブランドのうち、シェ・シバタは・・・見事8位! (柴田シェフ) 「海外や関東、いろんなブランドが来る中でこの8位というのは光栄なこと。ただ、僕としてはもっと上に上がらないといけないなと。東海エリアのためにももっと上に上がらないと、と思います」 (日本経済新聞社 門岡記者) 「リアル店舗の場合、そのまま別のフロアに行ったりと買い回りの効果が期待できる。アムールデュショコラのような巨大催事は来店者の来店の動機にもなるし、それがダイレクトに売り上げにつながるという点で、百貨店の生き残りの上でも大事な戦略になると思います」 (名古屋タカシマヤ 柴田さん) 「さらに(アムールは)進化していくと思っています。ブランドだったり、魅力的な商品はもちろんですが、お客様と一緒に作り上げていくというところを強化していきたい。リアルな店舗の強みはその場で感じられる感動や共感が重要。色んな催事を通して、名古屋高島屋という百貨店を楽しんでいただきたいと思っている」