クマ対策ドローンが岐阜で始動 猟犬の鳴き声や煙で追い払う 三重はアプリで出没情報を提供

全国でクマによる被害が相次ぎ、政府も対策に乗り出しています。岐阜県では14日、ドローンを使ったクマの追い払いがスタート。三重県でもアプリを使った注意喚起を行います。
政府が取りまとめたクマ被害対策パッケージでは、緊急的な対応として新たに自衛隊や警察のOBに狩猟免許の取得を促すなど協力を要請します。
また、政府は自治体が雇用する「ガバメントハンター」の人件費のほか、「箱わな」や「クマスプレー」といった資材の購入を支援します。
東海地方の自治体でもクマ対策は待ったなしの状況です。
「今回、スマートフォン用のクマ被害防止のためのアプリ運用を開始した」(一見勝之 三重県知事)
4月から11月13日までの時点で、70件のクマの目撃情報が寄せられている三重県。
13日、県内のクマの出没情報を確認できるアプリの運用を始めたことを発表しました。
アプリでは、県内の目撃情報があった場所を確認できるほか、GPS機能を使い、過去にクマやそれらしき動物が出没した地域に近づくと通知するシステムになっています。
ドローンでクマを追い払う新対策

そして10月だけで57件の目撃情報、11月は9件の情報が寄せられている岐阜県飛騨市ではドローンを用いた対策がスタートします。
この対策では、人が住む生活圏である「集落」と、山の間にあたる「緩衝地帯」と呼ばれる場所にクマが出没しているため、山の奥に向かってドローンを飛ばし、クマを追い払う計画です。
ドローンにはスピーカーが搭載されていて、クマが嫌がる猟犬の鳴き声を出すことができます。
また、空中で大きな音と煙を出す「動物駆逐用煙火」も装備しています。
14日午後1時すぎ。ドローン2台が飛び立ちました。
飛行するのは、81戸・258人ほどが住んでいて、モモやリンゴなど約10.5ヘクタールの果樹園が広がる場所。
人への被害はないものの、クマのフンが多数確認され、果樹園にクマが侵入して果物を食べられる被害があった場所です。
今年度の岐阜県内のクマの目撃件数は927件

「上空からワンワンと猟犬の大きな鳴き声を立てながら飛んでいっています」(記者)
2台のドローンは、20分ほどの飛行を2回行いました。
「クマが出た証拠であるフンやリンゴの食べ残しが実際に出ているので、それが減ったりなくなったかで効果を検証していきたい」(岐阜県 環境エネルギー生活部 吉川尚文 次長)
「リンゴを収穫した後は、クマが集落に行くことが懸念される。できるだけ今のうちから近づいて来ないようにしてほしい」(黒内果樹園 天木政彦 組合長)
岐阜県では、2025年度の県内のクマの目撃件数は927件で、2024年度の674件をすでに上回っています。
岐阜県によりますと、ほかにも人への被害があった高山市や中津川市でも11月中にドローンを使った追い払いを実施する予定です。





