“カスハラ町民”提訴の方針 損害金400万円 本人に伝えると… 愛知・美浜町

愛知県美浜町がある1人の町民を裁判で訴える議案を可決しました。理由はカスタマーハラスメント。議案可決のあと、町民の行動は…。

知多半島に位置する愛知県美浜町。人口2万人ほどののどかなこの町の町議会で3日前、ある議案が可決されました。
愛知・美浜町 宮原佳伸 総務部長:
「継続するようであれば、訴えるという手段に出ざるを得ないのかなと」
それはカスタマーハラスメントへの提訴。
自身も被害を受けていたという総務部長に話を聞くと。
宮原佳伸 総務部長:
「カスハラ受けて気分のいい人 いないですから。暴言とかですね、あとは個人的なプライバシーのことへの侵害」

ある1人の町民が町職員に対して長年「カスハラ行為」をしてきたといいます。
始まりは6年ほど前。自身が所有する建物についての問い合わせでした。職員が対応できないことを繰り返し伝えましたが、理解を得られませんでした。
男性の行為は徐々にエスカレートしていき「懲戒請求書」として書面を自作。職員の懲戒処分を求めてきたこともあるといいます。
去年4月からの電話や窓口対応が396件に。

町がある日の具体的な発言を公開しました。
「男とは話したくない。女に代われ」「おまえそれでも課長か」「職員同士が結婚するのは風紀上悪い」
町によると、ヒートアップすると職員の話もさえぎり、一方的に大声で主張を続けるということです。

さらに別の日には自ら作成した資料などを持って来庁。
職員が対応すると、「何言い訳しとるんだ。何でこっちが頼んでいるのに、やってくれないんだ」と声を荒げ、怒鳴りつける場合も。
さらに、「今おまえが言ったこと書くぞ。のちのち証拠にするからな」と証拠のためとして、自らが持ってきた資料の裏に殴り書きでメモを書いていたといいます。

日々のカスハラ行為にさらされ、職員の業務にも影響が。
宮原佳伸 総務部長:
「毎日びくびくして仕事をやらなきゃいけない。電話が鳴ったときに大丈夫かなと思って出たり。メンタル的に負担があるとパフォーマンス落ちますから、すぐに切り替えて仕事できるかというと、そうじゃないですからね」
耐えかねた職員のことを考え、町長は訴訟の準備として今回の議案を提出しました。
訴訟になった際の費用160万円についても、予算として議会に認められました。

10月末、訴訟に向けて準備を進めていることを口頭で伝えてから約2週間、男性は町役場に姿を見せず、あれほどかかってきた電話もぱったりやんでいるといいます。
美浜町は、来週にも男性に書面で通知し、行為が続く場合には訴訟の手続きを進めるとしています。
【中京テレビ「キャッチ!」11月14日放送】





