子どもたちのアイデア多数!駄菓子も売る老舗のお好み焼き店 値上げの波にも負けず“みんなの憩いの場”に 名古屋・北区

地域の人たちの“憩いの場”にもなっている、お好み焼き店。十数年、値段を変えずにがんばってきましたが、原材料の高騰で仕方なく値上げすることに…。「客足が遠のくのでは」と心配でしたが、人々に支えられ、値上げの波に負けることなく、みんなの憩いの場であり続けています。
香ばしいソースのにおいに誘われて、昼すぎにもかかわらず、にぎわう店内。
名古屋市北区にある店「お好み焼・やきそば つねかわ」は、5月でオープンから48年目を迎えました。
店を切り盛りするのは、恒川幸子さん。
さっそく、お好み焼きの注文が入ったのでしょうか。
恒川さん、“棒状のもの”を卵の上にのせると、クルクルと巻き始めました。ソースをぬって青のりを振り、食べやすいように串をさせばー。
店の人気商品“スナックロール”の完成。
“棒状のもの”は、実は、お菓子の“うまい棒”です。
お好み焼きだけでなく、駄菓子も売っているこちらのお店。
店内には、お菓子をアレンジした鉄板焼きのメニューがズラリ。なんと、その数、約30種類。
子どものアイデアから商品化されたものも多いようで、恒川さんは「発想力がすごいよね、おもしろい。私たちでは考えのつかないことを言うよね」といいます。
手軽なおやつにぴったりな昔ながらの“たません”はもちろん、魚のすり身を甘辛しょうゆに絡めたお菓子“帆たら”を餅に巻いたユニークなものも。
しかし、地域に親しまれてきたこの店に、最近になってある変化がー。
原材料の高騰のため、数十年ぶりに、お店の全てのメニューが、4月から値上げすることになったのです。
「お好み焼きと焼きそばは50円。ここら辺は(駄菓子の鉄板焼き)は20円から30円。本当に材料のほとんどが値上がっている。だから、もう、ちょっとキツいです」(恒川さん)
値上げによって客足が遠のくことを心配する恒川さん。でもー。
「ここは来ますよ!ここはね、たまに食べたくなるんだよね!」(女性客)
「(値段が)上がったのかー、ちょっと…。安い方が良かったなって思う。でも、しょうがないから上げてもいい」(女の子)
無駄な心配事だったかもしれませんね。
オープンから約50年。子どもたちの笑顔に囲まれながら、恒川さんはいつも、どんな気持ちで店に立っているのでしょうか。
「いつも?そんなに感じない。来てくれるとうれしいよね。目標は健康を維持して1日も長く(店を)やるということ」(恒川さん)
小さなお好み焼き店は、値上げの波に負けることなく、みんなの憩いの場であり続けそうです。