高校の「購買」にあるパン 売れ残りの課題あるも“売る場所”を変えてみたら口コミで大人気に 完売する日も 岐阜市

高校の「購買」で販売しているパンやお弁当。食べ盛りの生徒たちに人気ですが、どうしても“売れ残り”が出てしまい、廃棄処分に…。しかし、“販売する場所”を変えてみたら、どこか懐かしい雰囲気のパンは、口コミで大人気になっていました。
岐阜市にある「武蔵屋パン」。
パンは約30種類あり、毎日1000個以上、焼いているといいます。
手作りのパンやサンドイッチ、お弁当は、岐阜県内12の高校の「購買」コーナーで50年以上も販売されています。
昼休みともなれば、大勢の生徒でにぎわい、大人気。
こちらの学校の一番人気は「揚げパン」と「フライドポテト」。
「揚げパンとジュース、いつも買います、ほぼ毎日。この時間が楽しいです」(生徒)
「子どもたちは少ない小遣いを握りしめてダッシュで買いに来る。安くてボリュームのあるパンを出したくなるわけです。食べ盛り育ち盛りですので」(武蔵屋パン 池田和繁 社長)
「いい材料は使えないけど、この材料でこの味なら納得できるというものを、こだわって作っている」といいます。
購買の一番の問題は「売れ残り」。特に、コロナの感染が拡大し始めたころは大変だったといいます。
「弁当・調理系のパンは破棄ですね。(期限が)当日までなので捨てるしかない」
「(売り上げは)85%減まで落ちました。休校やオンライン授業で、売り上げが上がらない状況になった。これではちょっといかんなということで、(そう思った)次の日から、工場の前で売ろうと決断した」(武蔵屋パン 池田社長)
去年10月から、購買で売れ残ったものを小売りで販売することにしたのです。
宣伝はしていないのに、近所の住民やSNSで話題となり、購入する人たちが増えていったといいます。
購入した人はー。
「懐かしい。クリームのクロワッサンとか、チキンカツサンド・ハッシュドポテト、よく食べました」(購入者)
「おいしいので覚えている、懐かしい。よく買いましたもん。もう争奪戦なんですよ、ほんとに。まず弁当を食べちゃう、2時間目の授業が終わってから。みんな部活動をやっていたので、昼の弁当の時間には購買でおいしいパンを買って、それでまた夕方からの部活動に備えるみたいな感じ」(購入者)
小売り販売は、平日午後2時~午後6時までと短いですが、日によっては、完売する日もあるといいます。
池田さんのもとには「昔あったパンをまた作ってほしい」という声が寄せられていて、今後は復刻版の販売も検討していくとのことです。