衆議院議員選挙の投票日は7月中か 政治ジャーナリストが解説 「公明」と「維新」の関係性にも注目

東京都千代田区永田町では5日の夜、麻生副総裁と茂木幹事長が会談するなど、今後の政局について注目が集まっています。国会を取材する政治ジャーナリストの安積明子さんに話を聞きました。
「6月16日解散説」が浮上、投開票は7月中か

自民公明
―――昨夜の麻生副総裁茂木幹事長による会談などさまざまな動きが出ていますが、解散風は吹いているのでしょうか。
解散風は吹いていると思います。特に6月5日あたりからゾワゾワした雰囲気です。しかも、自民党が吹かせているような感じです。
5月末頃に自民党本部は世論調査を行っていました。その結果が自民党に有利に出たと聞いています。株価も上がっていますし、内閣支持率も低くはありません。また野党の準備も整っていない状況で、一気に解散ムードになっていて、どうにか岸田政権としては現状維持以上のものを求めたいのではないかと思っています。
―――解散と総選挙はいつになると予想していますか。
今のところ、6月16日に解散するという説が出ています。ただ、私は21日の会期末ではないかと思っています。会期末にした場合、憲法54条によって、7月31日まで総選挙が可能になります。7月8日に安倍元総理の一周忌の法要が都内で行われ、一般からの参加も受け付けることになりました。こちらはメディアも大きく報じるはずなので、選挙に組み入れることができれば、自民党にとって最大のアピールの場になるだろうという算段だと思います。
これを計算に入れると、7月9日投開票説というのもありますが、7月16日説が今のところ有力です。ただ、16日は3連休の真ん中で投票率が低くなる可能性があるので、7月23日ではないかという説もあります。
23日の場合、4月の統一地方選の後半日から3か月経っています。公明党は、組織政党といいますか、組織選挙をするので、組織としては3か月ほど休みが欲しいとのことなので、公明党の了解も得られるのではないかと思います。
―――投開票日が7月9日か7月16日、7月23日の3つが出てきました。いずれにしても7月中というところですね。
その可能性は非常に高いと思います。
公明党と維新の関係性
―――自民公明の東京での選挙協力の解消が取り沙汰されていますが、安積さんは公明党と維新との結びつきについても注目されているそうですね。
公明党と維新の関係性としては、大阪兵庫になります。公明党は「常勝関西」という通り、大阪兵庫で非常に強いといわれていました。ここで6議席持っており、この6議席を必ず獲得しなければならないという命題があります。
維新も大阪兵庫で強いのですが、維新は独自候補を立ててきませんでした。しかし、統一地方選の後、維新の馬場代表が「公明との関係をリセットする」と言い、独自候補を立てるような雰囲気を漂わせています。
その場合、兵庫の阪神地区などは、かなり公明党にとっては苦しくなるかと思います。もしかすると全部落とす可能性もあるので、地域としては維新に対して協力をする代わりに、維新は独自候補を擁立しないように水面下でのやり取りが行われるのではないかと思っています。
その交渉で、例えば大阪で維新が独自候補を立てない代わりに公明党が東京で維新を応援するというような取引が成立するのではないかと考えております。