名古屋市の観光誘致事業をめぐる汚職事件 市の元担当課長の男に執行猶予付きの有罪判決

09.04(木)18:57
名古屋市の観光誘致事業をめぐる汚職事件で、収賄の罪に問われている市の元担当課長の男に、名古屋地方裁判所は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、名古屋市観光交流部の元担当課長の大塚勝樹被告62歳は、2023年3月から2024年12月までの間に、名古屋市の広告会社ニックに市の観光誘致事業に関する業務を発注し、その見返りとして、この会社の役員から現金約43万円の賄賂を受け取った罪に問われています。
これまでの裁判で検察側は、「職務権限を利用した身勝手な行動」や「常習的な犯行」を指摘。一方、弁護側は「被告は事実を認め、真摯に反省している」として執行猶予付きの判決を求めていました。
9月4日の判決公判で、名古屋地裁の森島聡裁判官は、「被告には公務員としての自覚が欠如しており、強い非難を免れない」などと指摘しました。その上で、「反省の弁を述べていて、退職金の差し止めなどの酌むべき事情も認められる」などとして、大塚被告に懲役1年6カ月、執行猶予3年、追徴金43万3120円の判決を言い渡しました。