ガーシー氏「除名」 専門家「オンライン参加を実現したければ、まずは国会に出席して法案を」

ガーシー氏の除名は適正かどうか、元参議院事務局職員で同志社大学教授の武蔵勝宏さんに話を聞きます。
国会のオンライン参加 法律改正が必要

質問
―――ガーシー氏の除名処分について、適正でしたか。
国会議員なので、会議への出席は義務になります。今回は正当な理由がなかったため、いわゆる無断欠席を続けている状況になります。そして本会議での陳謝という懲罰が先にありましたが、それも出席の回答をしながら無断欠席をしました。このように度重なる約束を反故にしたことが院内の秩序を乱し、そして参議院議員の権威を貶めている。そのような判断から除名の懲罰が決定されたと思います。決定はやむを得ないかと思います。
―――今回の除名の理由が正当な理由なく無断欠席を続けたということですが、ガーシー氏は元々オンラインでの参加を公約に掲げていたかと思います。一方で、議員は議会に出なければいけないというルールがある。ここに矛盾があるように思いますが、いかがですか。
この3年間のコロナ禍で、欧米の各国の議会ではオンライン出席を認めてきました。それをコロナ禍が治まったからといって元に戻すことは難しいかと思います。日本の国会でもコロナ禍の3年間の間にオンラインでの出席を認める仕組みを検討すべきでしたが、なかなか進まなかったのが現状だと思います。
―――仕組みの検討がされていなかったということですね。またガーシー氏は元々のルールに則り議会に出て、提案を行うことが必要であったということですか。
そうですね。法律改正が必要な内容のため、そのためには会議に出席して法案を出したり、意見を言ったりしてオンラインの出席を可能にする必要がありました。これが本来の議員の仕事であると思います。
ガーシー氏が当選した背景
―――街の人にお話を聞いた際、議会が除名という決定をしたということは支持者を無視することになるのではないかという意見もありましたが、いかがですか。
確かに28万票という票は大きいかと思います。この支持者の意見を裏切ってしまうということは非常に重い処分だったと思います。しかし国会議員は会議に出席して、議論を行うという非常に重い役割があります。有権者の公約と議員の責務を秤にかけた結果、参議院としては除名やむなしという重い決断をしたのだと思います。
―――まず大前提として、国会議員としての職務を全うすることが大事だということですね。ガーシー氏が当選した背景にあるものは何だったのですか。
恐らくこの12年間ずっと与党が選挙で変え続けてきたことで、人々の暮らしが本当に良くなったかというとそうでもないかと思います。野党もあまり、市場有権者からの支持を得ていないかと思います。今の政治に対する不満や不信がる状況の中、ガーシーさんは少し過激なタイプになるためそれを壊してくれるのではないかという期待が若い方を中心にあったのではないかと思います。