入社1年目アナも力走…西宮神社『福男選び』中津川の分社で初開催 “一番福”目指し10-70代の69人が駆け抜ける
一番福を目指して一斉に駆け抜ける「福男選び」が、1月10日、岐阜県中津川市の西宮(にしのみや)神社で行われました。東海地方では初めての開催で、短距離の選手や77歳の男性、そして東海テレビの新人アナウンサーも挑戦しました。
■兵庫から分社の中津川で…雪が降る寒さの中69人が参加
兵庫県の西宮神社の新年恒例の『福男選び』。「中津川西宮神社」は、明治28年に地域の商売繁盛などを祈念し、兵庫の西宮神社から分社していて、2025年で130周年を記念し、初の「福男選び」の開催を決めました。
中津川西宮神社の馬島伸治宮司: 「(皆さんの)『町を盛り上げていきたい』という思いからプッシュされましたので。本社は『どんどんやってほしい。応援しますから』ということで、熱いエールをいただきました」 「福男選び」には、10代から70代の男女69人が駆け抜けます。 未明の開催にも関わらず、地元の人たちも応援にかけつけますが、気温は「-3.2℃」と、参加者にとっては厳しい環境です。
さらに路面には、雪が降り積もっていました。
■短距離の選手に“最高齢”は77歳…新人アナも挑戦
開始時刻が近づき、続々と参加者たちが集まってきました。岐阜県恵那市に住む鈴木悠右(すずき・ゆう 30)さんは、県内のクラブの短距離の選手でもあります。
鈴木さん: 「普通のサラリーマン、工場で事務職を。陸上競技はちょっとやっていて、今も一応現役で」 中津川市に住む加納恭卓さんは77歳で、参加者の中で最高齢です。
加納さん: 「77歳。(福男は)無理ですね。若い人ばかり。コロナの影響で、神社の祭りがどんどん下火になっているので、これはいいですよ。福男を選ぶ枠をいろいろ設けたら福男がたくさん出るから、75歳以上とかね」 また、東海テレビの入社1年目で、兵庫県出身の谷村謙介アナウンサーも参加します。小中高大と野球で培った体力で「一番福」を目指します。
谷村謙介アナウンサー: 「お正月からずっと走って体を作ってきました。狙いますよ、福男!」
■ポイントは約250mの「直線坂道」と「カーブ」
参加者たちは、走る前から運が試されます。転倒など事故防止の観点から、出走の順番はくじで決めることになっているためです。
くじでは「A」が最初にスタートし、10秒後に「B」が、さらに10秒後に「C」が出発します。くじの結果、短距離の選手でもある鈴木さんは「A」、最高齢の加納さんも「A」、そして谷村アナは「B」でした。 通る道は、中山道・中津川宿から神社前まで全長およそ400メートルです。ポイントは、およそ250メートルあるという直線の坂道と、雪道に影響しそうな、前半と後半にある2度のカーブです。
そこで、谷村アナは「秘策」を考えていました。 谷村アナ: 「最終コーナーのカーブも1つポイントですね。内側をいきたい気持ちになるんですが、私はあえて外側を狙おうと思います。路面に足をとられて滑ってしまう人が多いんじゃないかなと思いまして、ここは戦略が試される気がします」
■優勝の鈴木さん「ひっそりと、あんまり言いふらさないように…」
午前4時、「福男選び」が始まりました。鈴木さんは見事にスタートダッシュに成功し、先頭に立ちます。
10秒後にスタートした谷村アナも、一歩目で足を滑らせてしまいますが、すぐさま体勢を戻し走り出します。 鬼門となっていた直線の坂道も、鈴木さんは後続をどんどん離していき、先頭を維持します。
77歳の加納さんも着実に前へ進み、最後のカーブを曲がります。
谷村アナも最後のカーブに差し掛かります。いざ秘策の「外側走り」と思いきや、他の参加者と同じ内側に…。
鈴木さんは最後まで先頭を譲らず、見事「一番福」となりました。 鈴木さん: 「ひっそりと、あんまりみんなに言いふらさないように、福が逃げちゃうような気がするので。去年、病気じゃないですけど寝込んだことがあったので、その時に『健康は素晴らしいものだ』と思い知ったので、今年は健康な一年を過ごせれば十分満足かなと思います」
谷村アナも最後まで走り抜き、「29番」でした。 谷村アナ: 「肺の中が冷たい空気でいっぱいで、この疲れも福なんだと思います。福が体の中に入ってきたような気がします。前に25人いる段階でスタートしているわけですから、頑張った!」 加納さんも無事、完走しました。 加納さん: 「57番か。(今年は)どんなことでも積極的にやろうと思っています。まず半歩でも前に出たいと思っています」