中日・立浪監督が退任表明…権藤博さん「監督の味としては出なかった」指摘した同じ3年目“新庄監督との差”
中日ドラゴンズの立浪和義監督が9月18日の試合後に、今シーズン限りでの退任を表明しました。選手やファンからは、監督への感謝の言葉や惜しむ声が聞かれました。
■勝つ野球目指すも…「結果がすべて」
退任表明は9月18日の阪神戦に敗れ、最下位に転落した10分後のことでした。 <立浪監督(9月18日)> 「結果がすべての世界。監督が責任を取るのは当然」
“ミスタードラゴンズ”立浪監督は、低迷するチーム浮上の切り札として起用されたものの、球団初の2年連続最下位に沈み、ファンの期待に応えることができないまま、3年目も最下位に転落した18日、退任を表明しました。 立浪監督は2021年のオフに監督に就任しました。
立浪監督(2021年): 「勝つ野球をする。そのためには妥協はしません。1年間、本当に打てないと言わましたけれども、必ず何とかします」 勝つ野球を目指し、キャンプでも選手に厳しい言葉をかけます。 立浪監督(2022年): 「ヘラヘラ笑いながらやってる選手は外すよ。それくらいしっかりと緊張感を持ってやってください」 立浪監督は、岡林選手や石川昂弥選手など若手選手を積極的に起用しましたが、課題の打線は就任後も低迷を続けました。
2024年のシーズン、ジャイアンツから中田翔選手を獲得したものの、故障もあり期待どおりの活躍はできませんでした。
<立浪監督(9月18日)> 「ずっと同じような形で負けている試合が多いので。ファンの方も『気合を入れろ、気合を入れろ』と言われると、非常に心が痛い。最後までしっかりと一つでも勝てるようにやっていきたい」
■選手からは感謝の言葉も
一夜明けた19日、バンテリンドームで練習する選手たちに話を聞きました。
高橋宏斗投手: 「(退任は)ニュースで知りました。昨日の僕の試合が決め手になったというか、そういう決断をした試合になったので、それに関してはすごく僕にとっても責任はありますし、ここまで僕を育ててくれたのは監督なので、もう少し僕自身も何かできたんじゃないかなという思いは、ここ3年でありますね」
Q.立浪監督から教えてもらったことで一番印象深いことは? 石川昂弥選手: 「練習の時の態度だったりもそうですし、1軍で使おうとしてくれたのは立浪監督で」 Q.かけてもらった言葉で一番覚えているものは? 石川昂弥選手: 「『結果が出なくても、やり続けることが大事』というのはすごく印象に残っています」
細川成也選手: 「僕はクビ寸前だった身ですし、そんな僕をドラゴンズに拾っていただいて、監督に使っていただいて、感謝しかない気持ちですし、勝たせてあげられなくて本当に申し訳ないなと気持ちはあります」
■ファンからは「残念」「寂しい」
名古屋・栄のグッズショップ前では、立浪監督の退任を惜しむ声も…。
ファン: 「立浪監督は選手時代から立派な成績を収めた人だから残念だよね。もうちょっと頑張ってほしかったね」 別のファン: 「選手としてかなり好きだったので、監督としても好成績を残すかなと思っていたんですけど。こういう成績で悲しいですけど、もうちょっと続けてほしかったというのが本音ではありますね。ちょっと寂しいです」
■“レジェンド”権藤博さんが語る 新庄監督との違い
ドラゴンズのレジェンド、権藤博さんは立浪監督の3年間をこう振り返りました。
権藤博さん: 「この世界はね、結果が全てなんですよ。采配云々より、結果が全てなの。悔しかったでしょうね、これだけ勝てなかったというのは。何とかならんかったかとは思ったろうけど、何ともならなかったわけですよ。『お、やっと立浪かぁ』と思ったら、監督の味としては出なかったね。新庄には、ちょっと軽いけど面白いとかあるじゃないですか、明るいとか。立浪は真面目だけど、正面に出て『行くぞ!』という覇気が選手には出なかったと私は思います」 立浪監督が最後に指揮を執るのは10月6日。バンテリンドームでのベイスターズ戦となります。