雪対策の金属製タイヤチェーン 装着時は「表・裏」に注意! 間違えるとパンクの恐れも… 圧雪路面では“布製チェーン”も効果的 JAFに聞いた
冬型の気圧配置が強まっている影響で、北日本では、8日(水)夜から9日(木)にかけて、東日本・西日本は10日(金)にかけて雪が降り続き、平地でも“警報級の大雪”となる可能性があります。気象庁は、積雪や交通障害などに警戒するよう呼びかけています。
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岐阜県の山間部では、7日夜から雪が強まり始め、白川村で1メートル25センチ、郡上市長滝で80センチと、7日の同じ時間に比べて、40センチ以上積雪が増えています。
この大雪のため、東海北陸道では、郡上市の白鳥ICと高山市の飛騨清見ICの間が、上下線で通行止めになっています。ネクスコ中日本は、除雪作業を進めていますが、通行止めの解除については「全く見通しが立っていない」ということです。
そこで心配なのが、雪道での車の運転。どのような備えが必要なのか、車の専門家JAFに対策を聞きました。
ノーマルタイヤで雪道「走れたとしても、止まらない」
JAFが行った雪道での走行実験によりますと、ノーマルタイヤのまま時速40キロで走る車がブレーキをかけた場合、車が完全に停止するまでの制動距離は約30メートルにも及びます。
(JAF愛知支部 武藤敏行さん)
「たとえ走れたとしても、止まらないというのが(雪道の)特徴。速度をしっかり抑えた状態で走っていただくこと」
風がよく通る橋の上やトンネルの出入り口付近は特に路面が凍結しやすく、速度の出し過ぎは非常に危険です。
タイヤチェーンの「表」「裏」に注意
続いてノーマルタイヤのままで坂道を上れるのかという実験。途中でタイヤが空転し、そのまま車は滑り落ちてしまいました。
(JAF愛知支部 武藤さん)
「多くの方が目的地の天候を確認して『行き先が雪だから気を付けよう』という人は多いが、その道中だけ雪が降ることもあるので、道中も天候を確認して出発していただきたい」
雪道を走る場合、重要なのは事前の準備ですが、やはり効果があるのはタイヤに装着するチェーンです。
(JAF愛知支部 武藤さん)
「どのチェーンも共通しているが、裏と表があるので見間違えないようにしたい」
効果は高いものの、初心者にはやや難しいのがチェーンの装着。金属製のチェーンの場合、表と裏を間違えるとタイヤが傷つき、パンクしてしまうこともあるといいます。
“布製タイヤカバー”の効果は?
そこで、おすすめなのが“布製のチェーン”。
(JAF愛知支部 武藤さん)
「圧雪の路面では(布製チェーンは)金属製に引けをとらない性能」
この布製のチェーン、最大の特徴は素早く簡単に装着ができることで、取り付ける際は、まずタイヤの上半分に布を被せます。被せたら車を前に進ませてタイヤを半回転動かし、その後は残った部分をタイヤにかぶせるだけです。
慣れれば3分ほどの時間で装着できます。
一般的な布製チェーンは、2本セットで1万円程度の価格で購入できるということです。
この布製のチェーンを装着し時速40キロで雪道を走行してみると、ブレーキをかけてから停止するまでの制動距離は約20メートル。ノーマルタイヤより、約10メートル手前で止まることができました。
それでも、やはり油断は禁物です。
(JAF愛知支部 武藤さん)
「急ハンドルや急ブレーキはスリップを誘発するので、スムーズな運転を心がけていただきたい」
たとえ事前に十分な備えをしたとしても、やはり慣れない雪道の運転には細心の注意が必要です。