大学日本一をかけた「全日本大学駅伝」 東海地区から出場 地元愛溢れるランナーに迫る【じもスポ】

2日に行われる全日本大学駅伝。今年は群雄割拠、日本一を争うし烈なレースの見どころや、東海地区から出場する2校にも注目。地元愛溢れる2人のランナーの素顔に迫りました。
愛知・熱田神宮から、三重・伊勢神宮。
全国から集まった27チームが106.8キロでしのぎを削る、真の大学日本一決定戦。
それが「全日本大学駅伝」です。
今年は本命が不在!「5強」と呼ばれる注目校を中心に、最後まで手に汗握るレースが期待されます。
まずは、前回大会で初めて全日本を制した國學院大学。
キャプテンの上原琉翔選手を中心に、優勝メンバーが5人残るなど戦力は充実。
史上7校目の連覇へ、視界は良好です。
「もう一度、優勝を目指して頑張りたい」(國學院大学 上原琉翔選手)
前回大会2位、雪辱に燃える駒澤大学。
10月の出雲駅伝で2位となり、勢いに乗る早稲田大学。
名将・原監督のもと、青山学院大学も7年ぶりの優勝を狙います。
そして全日本初制覇を見据える中央大学は、田原市出身の吉居駿恭選手がキャプテンとしてチームを引っ張ります。
「(チームとしては)優勝を狙って、(個人としては)攻めの走りでチームに勢いをつける走りをしたい」(中央大学 4年 吉居駿恭選手)
地元・岐阜への思い

東海地区からは2校が出場。
2つある出場枠の1つを勝ち取ったのは、岐阜協立大学。
6月に行われた東海地区選考会では、去年出場した皇學館大学やこの地区最多出場を誇る中京大学を抑え、2位でフィニッシュ。
4年ぶり、5度目の出場権を獲得しました。
チームを率いるのは地元、岐阜・可児市出身の揖斐祐治監督。
現役時代は4年連続で出雲、全日本、箱根の学生三大駅伝にすべて出場し、6度の区間賞。駒澤の一時代を築きました。
引退後、関東の大学などで選手の育成を行っていた揖斐監督。
指導者の道を歩む中で常に頭の中にあったのは、地元・岐阜への思いです。
「岐阜県の先生に見ていただいて育ってきたので、岐阜に戻って岐阜県の選手の育成に携わりたいと思った」(岐阜協立大学 揖斐祐治監督)
2012年に岐阜協立大学の監督に就任すると、地元選手を中心としたチームで過去4度全日本に導きました。
育成は大学生だけに留まらず

育成は、大学生だけに留まりません。
県全体の底上げを図ろうと、監督就任と同時に大学のグラウンドで、小中学生や一般向けのランニング教室を始めました。
揖斐監督に加え、コーチとして参加するのは駅伝部の部員たち。
熱心な指導を行っているのは、日比健仁選手。
大垣日大高校出身で、エースの1人です。
実は日比選手自身も中学生のころ、この教室に参加していました。
「自分の知らない世界、自分に本当に必要な知識や経験が得られたことにびっくりして。あの時(この練習に)行ったから、今の自分があると思う」(岐阜協立大学 3年 日比健仁選手)
「地元の岐阜に貢献したい」

教室に参加したことで、競技に対する姿勢や意欲も変わったという日比選手。
この経験が成長につながり、関東の大学から勧誘を受けるほどの選手になりましたが――
「関東の大学では箱根駅伝がありますし、自分にはその夢があったが、揖斐監督の姿が印象に残っていたり、地元の岐阜に貢献したいという気持ちが自分の中で強かったので、迷わず岐阜協立大学を選びました」(日比選手)
「アスリート育成クラブで育った子が、岐阜協立大学の駅伝部に戻ってきてくれて、一緒に競技ができるのは非常にうれしさを感じる」(揖斐監督)
故郷への思いが選手を育て、チームに還元。
地元で培った結束力で、伊勢路をかけぬけます!
「『自分たちのコーチが、全国の舞台で頑張っている』と(子どもたちに)勇気を与えられると思う。子どもたちが希望を感じられるような走りをしたいと思う」(日比選手)
2年ぶり17回目の出場

東海地区選考会をトップで通過した、2年ぶり17回目の出場の名古屋大学。
注目は大学院1年、吉原諒選手です。
選考会のタイムは、チームトップ。
駅伝への熱量は、誰にも負けないエースの1人です。
そんな吉原選手に、濱田アナが直撃しました。
Q.全日本大学駅伝まであとわずかですね
「すごく調子がいいので、その中で実力のある関東や関西の選手たちにチャレンジできることが楽しみ」(名古屋大学 院1年 吉原諒選手)
駅伝と研究には共通点が…

駅伝の傍ら、大学院で天文学を研究としているという旭丘高校出身の秀才ランナー。
「僕の研究室がNASAのミッションに参加していて、研究の一環としてNASAの中で実験をさせてもらった」(吉原選手)
Q.NASAにはいつ行った
「選考会の次の日(6月22日)で、翌日の便でアメリカに飛んでNASAで研究してきました。(研究も駅伝も)両方ともやりたいことなので、どちらもできる方法を日々模索している」(吉原選手)
駅伝と研究。相反するように見えるこの2つには、共通点があるそうです。
「全国大会で駅伝を走る、NASAのミッションでロケットを打ち上げる。目標までの道のりを順を追って考えて、1つずつクリアをしていく、そういうところはとても似ている」(吉原選手)
「感謝の走りを示したい」

そんな吉原選手に対し、チームメートたちが心配していることが――
「合宿中は朝練を5時半に行くんですけど、僕らは先に練習に行くんですけど、(吉原選手は)まだ寝てて。朝は弱いが起きてからは早い」(名古屋大学 院1年 松井孝矢選手)
「そう見えてたんだ…」(吉原選手)
実は今回、走るのが濃厚なのは冒頭の1区。
スタートは朝8時10分で、4時に起きる予定だそうです。
「僕が一番心配しています。夜8時に寝て、朝4時に起きる生活をしようと」(吉原選手)
名古屋市出身の吉原選手。
名古屋だけを走る唯一の区間。重要なミッションで、ロケットスタートを決めることができるのか、注目です。
Q.1区はまさに地元ですね
「それもあって、ずっと(1区を)走りたいと思っていて、地元で支えてきてくださった人たちに、感謝の走りを示せたらいいと思います」(吉原選手)
(10月30日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ+』じもスポ!コーナーより)





