マイホームは「夢のまた夢」に? 愛知県の住宅地は4年連続で上昇 インバウンドで商業地がバブル以降最高の伸びの場所も 「地価」発表

土地の取引価格の目安になる「地価」が公表されました。
【写真を見る】マイホームは「夢のまた夢」に? 愛知県の住宅地は4年連続で上昇 インバウンドで商業地がバブル以降最高の伸びの場所も 「地価」発表
愛知県内の住宅地は4年連続で上昇しましたが、ある「変化」も見られました。
「夢のマイホーム」は『夢のまた夢』に…?
(名古屋市民)
「戸建てに、ゆくゆくは住みたい。市内であれば仕事に行くのも楽でいいと思うが『費用的にどうかな』と」
「検討しているが、いい立地を探そうと思うと価格が高い。名古屋は高い」
名古屋の人たちの声を裏付けるような調査結果が公表されました。
(報告:荒川栞 記者)
「名古屋市の住宅地の平均価格は1平方メートルあたり22万2300円で、前の年に比べて約1万円上回っています」
きょう公表された、ことし1月1日時点の「地価」。愛知県の住宅地で最も高かったのが中区栄2丁目の地点で、去年を5万円上回り1平方メートルあたり195万円。
名古屋市では全ての区で住宅地の地価が上昇し、平均は22万2300円と3.6%上昇しました。
名古屋の地価が高止まりしていることで…。
(不動産鑑定士 松原孝文さん)
「名古屋市内の住宅地の値段が高いということで、需要が近隣のエリアに広がっている」
住宅地の上昇率上位の市町村は大府市の6.4%をはじめ、長久手市の4.9%、知立市の4.4%など、利便性が高く比較的割安な名古屋の近隣エリアが多く、住宅需要が流れているとみられます。
「家を建てたい」という需要減
愛知県の住宅地は全体で2.3%プラスとなりましたが、他にも“ある変化”が…。
(不動産鑑定士 松原孝文さん)
「土地の値段が上がってきて、建築費も上昇してくると、物件価格はかなり上がることになる。そうすると手が出ない」
住宅地の上昇率は去年の2.8%に対して、ことしは2.3%と上昇幅が縮小していて、建築費の高騰で「家を建てたい」という需要が減ったことが、上昇率を押し下げたということです。
こうした中…。
(ナナハピ 兵藤大祐 会長)
「断熱性能がすごく高いので、リビングと玄関の間の扉がなくても暖かい造りになっている」
刈谷市に今月22日、1年限定でオープンする住宅展示場。より多くの人に戸建て住宅の魅力を伝えたいと、本来ライバル関係の地元の7つの工務店が協力してつくられました。
(ナナハピ 兵藤大祐 会長)
「ライバル関係の7社だが、住宅価格も金利も上がる中で、手を組んで新たな魅力を届けたい」
展示されている7つのモデルハウスは実は土地代込みで5000万円台で販売されていて、1年後にここに住むことができます。こうした取り組みを大都市近郊で行うのは全国初だということです。
(ナナハピ 兵藤大祐 会長)
「夢のマイホームが夢になっている人もいて。家族が幸せに住もうと思うと、賃貸住宅でもお金はおさえられるが、幸せは持ち家を持つとあがるので、皆さんに幸せになっていただきたい」
岐阜県の住宅地は前年比マイナス・三重県は2年連続の上昇
一方、岐阜県の住宅地は平均で4万6400円で前の年から0.3%マイナスに…。
建築費高騰の影響を受けて住宅取得を断念する人が出ている影響とみられます。
商業地はインバウンドの回復に後押しされて、高山市上三之町が28.8%プラスに。
岐阜県ではバブル崩壊以降、最大の伸び幅になりました。
また、三重県の住宅地は平均で0.5%プラスで2年連続の上昇に。
名古屋方面の通勤圏となる四日市市や桑名市など県北部のほか、伊勢市や松阪市でも上昇地点があり、地価が割安なエリアで若い世代の住宅需要がみられるということです。