ノロウイルスなどの急性胃腸炎が流行中 小児科医「アルコール消毒は効果薄」、脱水症状と低血糖に注意

愛知県や岐阜県で集団食中毒の発生が相次いでいます。名古屋市西区の小児科では、ノロウイルスによる症状を訴える子どもが増えているといいます。
いま東海3県で報告が相次いでいるノロウイルス。
岐阜県岐南町の仕出し業者「バイパス給食センター」では、調理した弁当によりノロウイルス食中毒が発生し、これまでに456人が症状を訴え、このうち40代の男性1人が死亡しました。
この業者は17日付で保健所に廃業届を提出しました。
また名古屋市でも、中村区や南区の飲食店でノロウイルスによる食中毒が複数発生しました。
ノロウイルスは胃腸炎や食中毒を起こすウイルスで、感染力が非常に強いと言われています。
例年、ノロウイルスをはじめ感染性胃腸炎は冬場に流行しますが、愛知県の患者数は去年の同じ時期と比べてもまだ多くなっています。
名古屋市と岐阜市では、現状20日までノロウイルス食中毒警報を出していて、手洗いの徹底や食品の十分な加熱などを呼びかけています。
名古屋の小児科で「胃腸風邪」の患者増
名古屋市西区にある「みわた小児科」では、2月ごろからノロウイルスなどによる下痢や腹痛などの症状を訴える子どもが増えているといいます。
「いまノロウイルスをはじめとした急性胃腸炎ですね。胃腸風邪がとても流行しています」(みわた小児科 三輪田俊介 医師)
18日午前中に診察した52人中、3割を超える15人が胃腸風邪の診断だったといいます。
Q.お子さんの症状は?
「きのうの夜からおなかが痛くて、下痢で何回かトイレに行っている。下の子もいるので、ノロウイルスならうつらないように気を付けなきゃいけない」(受診した子どもの親)
2歳の男の子も、ここ最近下痢が続いているそう。
「ノロウイルスとか胃腸風邪が保育園ではやっているので、それでもしかしたらと思って」(受診した子どもの親)
ノロウイルス対策は手洗いと次亜塩素酸

ノロウイルスを含む急性胃腸炎を引き起こすウイルスは、主に排泄物が感染源となり、強い感染力を持っています。
「ノロウイルスやアデノウイルスなどの胃腸風邪のウイルスがあるが、1回の便でその中に数百億から多いと何兆個とウイルスが排泄される。感染という意味では、100個とか1000個の数が口の中に入るだけで感染する」(三輪田医師)
三輪田医師によると、ノロウイルスは症状が治まってからも2週間から1カ月は便などにウイルスが排出され続けるそうで、集団生活を送る子どもたちなどに注意が必要だといいます。
対策は手洗いが有効な一方、アルコール消毒はあまり効果的でないといいます。
「何が効くかというと、次亜塩素酸といって、塩素系の消毒液で消毒してもらえればウイルスは死ぬ」(三輪田医師)
もしノロウイルスなどに感染してしまった場合、気を付けてほしいのが脱水症状です。
「胃腸風邪になると脱水、低血糖と言って糖分が足りなくなってしまうことがある。とても怖い症状。ちょっと薄めの甘いリンゴジュースやイオン飲料などの糖分の入ったものをとってもらえるといい」(三輪田医師)