開店から5カ月ですでに人気の「うどん店」 娘の応援を背にラーメン4店舗の経営者が事業拡大

岐阜県岐阜市にオープンして5カ月ほどにもかかわらず、人気を集めているうどん店があります。このうどん店をオープンしたのはすでに複数のラーメン店の経営を軌道にのせている男性です。事業拡大の裏には支えてくれる娘の存在がありました。

岐阜県岐阜市に2025年2月にオープンした手打ちうどん店「手打ちうどんごだいさん」。もちもちとした食感と、つるっとしたのど越しが特徴の麺に、さっぱりとしただしが絡み、多くの人々を魅了しています。

「ラーメンは週に1回、月に1回でも満足できますが、うどんは週に3回、4回でも食べられます。体が求めるし、負担もかからない。だしも体に良い」。そう語るのは、オーナーの竹内義弘さん。竹内さんは、10年ほど前からラーメン店を4店舗経営しています。ラーメンを大切にしながらも「より丁寧に仕事ができるのは、うどんではないか」と考え、うどん店をオープンしました。

「手打ちうどん ごだいさん」の麺は、細かく丁寧に小麦粉を練り上げることで生まれる、手打ちならではのもちもちとした食感が自慢です。お客さんからは「スープがおいしい」「手打ちならではの良さがある」と反響を呼んでいます。
苦難のときを支えた娘の言葉

ラーメン店を始める前は、運送業をしていた竹内さん。資金を貯め、学生時代からの夢だったラーメン店をオープン。当初は1日の来客は5人と、なかなか客が集まらなかったといいます。
手打ちうどんごだいさん 竹内さん:
「これはやばいぞ、と。家族からは『やめてくれ』といわれました」

家族からも、友人からも反対された夢のラーメン店。そんな苦しい状況でも、ただ1人応援してくれたのが、当時小学生だった娘の綾音(あのん)さんでした。「頑張ってみたら? 」という綾音さんの前向きな一言が、竹内さんにとって暗闇を照らす光に。

開業前に試作のラーメンを綾音さんに食べてもらうと「お父さん、しょうゆってこんなにおいしいんだね」とのうれしい一言が。その後、店の売り上げが悪いときでも、綾音さんのこの言葉が頑張り抜く原動力になったといいます。
父の背中を見て「尊敬できるし、かっこいい」

綾音さんは現在、「手打ちうどん ごだいさん」やラーメン店などを手伝い、父を支え続けています。平日は美容クリニックで看護師として勤務しながら、休みの日に手伝うという働きぶり。

調理や接客だけでなく、製麺もこなし、いまでは店になくてはならない存在です。
綾音さん:
「仕事に対するモチベーションとか、父の真剣なところを見習おうと思います。尊敬できるし、かっこいい。ずっと新しいことをし続けるのが私のパパなんだと思うと、自慢できて、最高ですね」
綾音さんの言葉には、父への深い愛情と尊敬の念が込められていました。
娘と一緒に仕事ができることに感謝する父

オープンして5カ月の「手打ちうどんごだいさん」は、徐々に客足が増えています。
「せっかく素晴らしいものを作り上げていると思っているので、この味が一代で終わってしまうのはさみしい」。綾音さんは将来的に、この「手打ちうどんごだいさん」を継ごうと考えています。

手打ちうどんごだいさん 竹内義弘オーナー:
「本当にうれしいですね。娘と一緒に仕事をやれているのが、本当に感謝です。僕らがやっているラーメンの味とか、うどんの味が50年とか100年先につながるといいな、との思いでやっています。
ここは柳瀬商店街で、昔はすごく賑わっていた商店街なんです。もう1度、その賑わいを取り戻したい。僕たちにできる『飲食』を通して、もっと人が集まるエリアになるといいですね」