癒しやストレス解消求めてリピート率は約7割 ハサミを使わない美容室 シャンプー特化で人気に
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駅近のビルの中にある小さな美容室。実は髪を切るためのハサミがありません。一体、どんな美容室なのか、そこには驚きのビジネスモデルがありました。
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福岡の玄関口、博多駅。近くのビルに隠れ家のような小さな美容室がありました。ここは、シャンプーやヘッドスパなど、髪をケアするだけの「髪を切らない美容室」。“引き算のビジネスモデル”の店です。
利用客:
「1日リフレッシュする日というのを決めて、そういうときに来ています。すごくリラックスできます」
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1回1650円からと割安で、シャンプーは20種類から。昼休みや帰宅前の気分転換に立ち寄る女性が目立ちます。
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客の7割は再びやってきて、来店頻度は1年に平均150回ほどと、2~3日に1回は訪れる計算です。東京の銀座や恵比寿、自由が丘を含め、今では6店舗に。2024年はさらに東京に3店舗の出店を計画します。
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「髪を切らない美容室」を運営するのは、大分県の会社の株式会社リクレです。社長の狩生志保さん(37)は、3人の子育てに追われながら美容師として働き、2015年に会社を立ち上げました。
狩生 志保社長:
「女性にとってシャンプーしてブロウするのは、結構な時間を取られます。女性は1人何役も抱えています。自分を大事にする時間として、ただ髪を洗うだけではない“違う30分”を提供したいです」
気分転換できるもう1つの居場所に
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目指すのは、サービスを超えた気分転換できるもう1つの居場所です。“引き算のサービス”で、店舗は4席、50平方メートルから。都市部でも初期投資は約1500万円と通常の半分です。リスクを抑えて広げられます。
リクレに出資した大分ベンチャーキャピタル 高橋良輔さん:
「たしかに、私たち男性では習慣がないかもしれませんが、狩生さんが一番刺さってほしい働く女性には刺さるのかな、と。狩生さん自身がその経歴を持っているので、(ニーズに)気づけたのだと思います」
営業先に訪問する前に利用する客も
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仕事や子育てに忙しい女性をターゲットに据えていましたが、今では思わぬ利用者もいました。
利用客:
「営業前なのでお客さまのところに行く前に時間ができたので来ました。1時間しないくらいで終わります。すごいさっぱりして頭もクリアになって、結構良い言葉が出てきます」
日本経済新聞社 大分支局 松尾 哲司支局長:
「チェーン店として今後、強くなっていくためには、1店舗1店舗の質を担保していく必要があります。そのためには人が大事です。共通のサービスで、スタッフの個性をうまくミックスすれば、チェーンの特徴になるかもしれません」
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美容師など生活関連サービス業は、長時間労働に伴って離職率は3年で60%近くに達します。しかしリクレでは6年で5%にとどまります。理由は「隙間時間にレッスンを行い、朝や夜に残らない」ためと話します。
スタッフ:
「スタッフが自分の時間を取りやすいです。メニューが決まっているので(一度退職して)ブランクがあってもできます」
引き算のビジネスモデルが働き手も引き付け、気軽に立ち寄れる新たな居場所を生み出しています。