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半年間、日本酒を海で熟成 澤田酒造の6代目が称賛する、まろやかな味 常滑市

  • 海に沈めた日本酒


    海に沈めた日本酒


中部地方の空の玄関口・セントレアを有する愛知県常滑市で「日本酒の海中熟成」にチャレンジ! 出来上がった日本酒を瓶詰めし、海底に沈めて熟成させることで今までにない味わいの日本酒を目指します。


今回は、常滑市の海で熟成された日本酒の引き揚げ作業に密着。引き揚げられた日本酒は、蔵元も驚きの変化を遂げていました。


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地元の米で造られた地元の酒を地元の海で熟成

  • 井上清行さん


    井上清行さん


海に日本酒を沈めて熟成させる取り組みに挑戦したのは、常滑市にある酒販店「井上屋」の店主・井上清行さん。酒に対して並々ならぬ情熱を持つ井上さんは、海中の温度や海流、波動などが日本酒に与える影響を見てみたいとの思いから、2023年11月に200本もの酒を海底へと沈めました。


海中に日本酒を沈めるための船やダイバーさんの手配にかかる費用はクラウドファンディングで集めたとのこと。手間暇をかけた一大プロジェクトがスタートします。


  • 176年続く老舗酒蔵「澤田酒造」外観


    176年続く老舗酒蔵「澤田酒造」


海中に沈めたのは地元常滑市で176年続く老舗酒蔵、澤田酒造の「白老」。地元常滑で育った酒米「若水」を使った「白老」の純米酒は、強い米のうまみとシンプルな味わいで長年にわたり親しまれている澤田酒造の代表銘柄です。


  • お酒をケースごと海底に沈める様子


    地元の酒米を醸して造られた地元の日本酒を、地元の漁港に沈める


井上さんのこだわりは「地元の酒米を醸して造られた地元の日本酒を、地元の漁港に沈める」こと。一大プロジェクトに、澤田酒造の6代目の澤田薫社長もどうなるか興味津々です。


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海から日本酒を引き揚げ 味わいの変化は?

  • ケースには藻や貝がびっしりと付いたケース


    水深約7メートルの海底で熟成されたケースには藻や貝がびっしり!


日本酒を沈めていたのは港から10分ほどの場所にある海中。ダイバーが潜ると、水深約7メートルの海底に日本酒が入ったケースを発見します。


ケースには藻や貝がびっしりと付いており、さながら海の生きものたちのマンション状態。ケースにロープをくくりつけ、いざ引き揚げです。


  • 海底で熟成された日本酒


    海底で熟成された日本酒


引き揚げたケースから瓶を取り出すと、こちらにも藻や海中生物がびっしり。海中に沈められていた200本の日本酒は、1本も割れることなく無事なままでした。


海中に眠っていた日本酒は海に沈めた証拠として、あえてこのままの状態で乾燥させて販売されるそうです。


  • 海に沈めた日本酒と沈めていない酒の比較


    (左)沈めたあとの「白老」。ほんのり色づいている


半年に渡って海底で眠り、すっかり年季の入った姿となった「白老」。酒自体も熟成前のものと比べてわずかに黄色みがかっており熟成感がうかがえます。


  • 女性がグラスを持っている様子


    澤田酒造6代目の澤田薫社長。海中熟成された「白老」の味わいに納得の様子


澤田社長も「香りのふくらみが違い、深い香りがする」と海中熟成された「白老」の味わいに納得の様子。海中熟成を経て味わいの角が取れ、飲み続けやすい優しい味わいとなっているとそのおいしさを高く評価していました。


  • 「たまてばこ」の名称をつけて井上屋で販売


    「たまてばこ」の名称をつけて井上屋で販売


常滑の海で半年にわたって熟成された「白老」は、「たまてばこ」の名称をつけて井上屋で販売。100本限定販売のため、興味のある方は早めのチェックがおすすめです。