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高級自転車「モールトン」はなぜ高い? 機能・特徴を知れば魅力が見えてくる!

モールトン

ブームとともに愛好家が急増し、比例して専門店も増加。日常生活に役立つ大衆的なものだけでなく、機能性やデザインに優れ、車やバイク並み、もしくはそれ以上に高額な自転車を見かける機会も増えました。今回はそんな自転車趣味の世界から、イギリスが世界に誇る自転車モールトンをピックアップし、魅力をお届けしていきます。


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●「モールトン」とは?

  • モールトンの車体全体


    ミニベロの代表格であるモールトン


モールトンは知らなくても、こうしたシルエットの自転車に見覚えはあるのではないでしょうか。“ミニベロ”と呼ばれる小径ホイールの自転車で、その代表格にして最高峰なのがモールトン。イギリスの技術士アレックス・モールトン博士によって生み出され、19世紀に誕生して以来代わり映えのしない自転車に大きな革命をもたらせました。


●生みの親はアレックス・モールトン博士

  • アレックス・モールトン博士


    アレックス・モールトン博士


第二次世界大戦中に軍事用エンジンの設計に従事し、戦後は鉄道車両のサスペンション部品などのゴム部品を製造する会社に入社します。そこで、イギリスの名車ミニのゴムサスペンションの開発に携わり、自転車に設けることを思いつきました。


  • 若き日のモールトン博士


    若き日のモールトン博士


1962年、石油問題に関心を持ったモールトン博士は「アレックス・モールトン・バイシクルズ」を設立し、世界初の小径車「モールトン・バイシクル」を開発。イギリスで第2位の自転車メーカーにまで成長を遂げます。


一度会社を売却するも1980年代に買い戻し、再び自転車を製造。1990年代にはパシュレーとブリヂストンにライセンスを供与し、各社からモールトンデザインの自転車が製造、販売されました。2012年12月9日死去。享年92歳。


●おしゃれさと機能性を兼ね備えた、モールトンの2つの特徴

  • トラス構造のフレーム


    トラス構造


東京タワーやクレーン車、バイクのフレームなどでも見られる構造「トラス構造」を採用。三角形を基本とした骨組みで、堅強さとい美しさを追求しています。


  • ゴム製のサスペンション「ラバーコーン」


    ゴム製のサスペンション「ラバーコーン」


ミニのサスペンションがヒントになった、リア側に取り付けられたラバーコーンと呼ばれるゴム製のサスペンションがトレードマーク。地面の凹凸を拾いやすい小径タイヤの弱点を補い、快適な乗り心地を実現しています。


●モールトンならではの分解の機能美


  • ワイヤーの取り外す様子


    ワイヤーの取り外し。手作業で行える


  • レンチで基部をゆるめてパイプを引き出す様子


    レンチで基部をゆるめてパイプを引き出す


  • 分解


    あっという間に前輪側と後輪側に分解可能



  • モールトンのフレーム


    シンプルな構造かつ分解後の見た目を損なわない、まさに機能美といった構造


折りたたみ式のミニベロは今となっては珍しくないですが、シンプルな構造かつ分解後の見た目を損なわない、まさに機能美といった構造は、現在でもあまり見られるものではありません。


●まとめ

  • モールトンの機能美の変遷を追っていくのも楽しみの1つ


    モールトンの機能美の変遷を追っていくのも楽しみの1つ


機能とデザインが融合した工芸品のような自転車、モールトン。ただ、モールトン博士自身は「最新のものこそが最高」という哲学を持って開発に取り組んでいたため、往年の名車に目を向けるだけでなく、機能美の進化の変遷を追っていくのも面白そうです。


追求すると深い自転車の世界。もっとも身近な乗り物だからこそ今一度目を向けてみて、こだわってみてはいかがでしょうか。


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