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「光洋陶器」驚きのスゴ技マシン!年間約60万個 コーヒーカップが売れるワケ

土岐市を含む岐阜・東濃エリアは「美濃焼」の産地として知られ、国内の陶磁器の50パーセント以上を生産する、まさに日本一の産地。器づくりに欠かせない良質な土が産出され、大量生産が可能な工場から小さな家内工業の作業場まで、数多くの生産元が存在している。取材班は、ホテルやレストラン用の業務用食器を年間200万個以上製造している「光洋陶器」(岐阜・土岐市)に潜入。プロに選ばれる高い品質、器づくりのこだわりとは?



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釉薬のプールに「2度漬け」細やかなこだわり


「光洋陶器」で取り扱っている食器は、お皿やマグカップなど1万種類以上。中でも、ORIGAMI「Aroma Mug」は、シリーズ全体で年間約60万個を販売する人気商品だ。


底が広がっていることで、コーヒーの香りが逃げにくいという。
※コーヒーカップの製造工程はコチラ!




コーヒーカップに欠かせないのがソーサー。そこで今回は、ソーサーの製造工程を見ていく。



まずは成型。粘土を回転する土台にぎゅっと押し付け、お皿の形を作る。



はみ出た部分をマシンがカットし…



形が完成。続いて、素焼き工程でしっかりと固める。



そして釉薬のプールへドボン! 釉薬がムラなく付くように全体をひたす。陶磁器に欠かせない釉薬は色付けとして使う他、焼くとガラス質に変化するため、器の強度を高める効果がある。



しかしよく見ると…なんと釉薬を2度漬けしていた。マシンのストッパーと接触している上記の4カ所は釉薬がついていないため、



マシンを矢印の向きに傾けてお皿をずらし、2度目はその部分にだけ釉薬を付け足す。こうした細部への徹底的なこだわりが、高い品質につながっている。



釉薬を付けたら最後の工程へ。カップ同様、全長50メートルの長~い窯で30時間焼いたら完成だ。


年間約400アイテムを世に送り出す「光洋陶器」


「光洋陶器」が創業したのは、「東京オリンピック」が行われた1964年。創業当時は海外輸出用の食器を製造していたが、その後、国内の業務用食器にシフトチェンジ。時代に合ったモノづくりを続けてきた。



代表取締役社長・加藤伸治さんは、「半年に1回、約200アイテムリリースしている。年間で約400アイテムを考えて出していく。いろいろな面白い取り組みをしている」と話す。こうした数多くの取り組みの中から、国内外で愛される大ヒット商品が生まれるのだ。