やさしく、穏やかな表情で写真に写る高峰啓三さん(当時56)。事故に巻き込まれ、帰らぬ人に。
高峰さんの妻:
「何も形見になるようなものも(焼けてしまって)なくて。髪の毛もないって。なんでうちの主人がこんな亡くなり方しなきゃいけなかったんだろう」
長男:
「父親からは与えられてばっかりだった。何も返せていない」

最愛の家族の命が奪われてから4か月。今年3月20日、三重県亀山市の新名神高速下りで起きた事故。大型トラックが渋滞で止まっていた乗用車に追突するなどして、車3台が炎上し、帰省の途中だった高峰さんと、別の家族5人のあわせて6人が犠牲になりました。
大型トラックを運転していた、水谷水都代被告(54)。過失運転致死の罪に問われ、6月から始まった裁判では、13秒間にわたりながらスマホで運転し事故を起こしたと指摘されました。

祭壇の前で手をあわせる、高峰さんの妻と長男、二男、四男の4人。3度目の月命日となった7月20日、初めて取材に応じ、胸の内を明かしました。
高峰さんの妻:
「次から次にやりたいことがいっぱい出てくる人でしたね。何でもそつなくこなす、人当たりが良くて」
長男:
「行動力があっていろんな人のために動くような父親だったので憧れの存在だった」
二男:
「お父さんに迷惑かけたりとかもあったんですけど 、やっぱり優しく、怒るときは怒って、自分もそういう父を見習って生きたいなって存在ではありました」

20歳の四男は、父の写真を入れたペンダントを身につけています。
四男:
「いつも近くにいたので何をするにも近くで見守っていてほしいなっていうか、近くで父親を感じたいっていうのが一番大きいです」

毎週のように家族のもとに帰り、バレーボールチームの監督として熱心に指導をしていた高峰さん。4か月の月日が流れても、家族は現実を受け止めきれずにいます。
四男:
「3月20日から時間が止まったみたいな気持ちで、ずっときょうまで過ごしてきたので、できるのであれば本当に自分の家族を大事な父親を返してほしい」
高峰さんの妻:
「初公判の時、初めて(被告人)本人見て、(夫を)返してほしい、本当。あれが危険運転じゃなくって、なにが危険運転なんだろうって。13秒前を向かずに運転ってできます?普通できないですよね。うそをつかずに本当のことを正直に話をしてほしい。それが最初の償いの一つやとわたしは思う」
現在行われている事故の裁判は、8月31日には水谷被告の被告人質問が予定されています。


