“盗撮SNS共有”事件 市教委が会見「児童全員の面談実施」 隠しカメラは第3者による捜索を実施

名古屋の小学校で開かれた臨時保護者会では「親も眠れない」などの声が相次ぎました。
「本校の職員がこのようなことを起こしてしまい、児童および保護者の皆さんに多大なご心配をおかけしておりますことを深くお詫びします。誠に申し訳ありませんでした」(校長 26日の臨時保護者会)
26日開かれた臨時の保護者会の冒頭、集まった約270人の保護者に、校長は深く頭を下げました。
森山勇二容疑者、42歳。保護者会が開かれた名古屋市の市立小学校に勤務していた教師です。
警察によりますと、去年9月ごろ、愛知県内の施設で女子児童の下着を盗撮し、SNSのグループで共有した疑いが持たれています。
森山容疑者は学校ナンバー3の「主幹教諭」として他の教師への指導・助言を行う立場で、一部の学年で算数や生活の授業も担当。
子どもたちからの信頼も厚かったといいます。
“教育者”の「裏の顔」

“教育者”としての顔がある一方で、「裏の顔」も。
「森下容疑者らは、秘匿性の高いアプリを使って、匿名で盗撮画像をやりとりしていたとみられています」(記者)
森下容疑者が管理していたSNSのグループには、学校行事の最中に撮影されたとみられる女子児童の下着が映った動画などが共有されていました。
警察は、10人近くが参加し、全員が“教師”とみています。
森山容疑者とともに、横浜市の小学校教師、小瀬村史也容疑者(37)も逮捕されています。
森山容疑者は、「学校だより」の担当者で業務として、児童の写真を撮影できる立場でした。26日の臨時保護者会では不安の声が相次ぎました。
「われわれ保護者、親も被害者です。かわいい自分の子供が現状こういうことになって苦しい、眠れない、悩む」(保護者)
「保護者の皆さんの大変なご心配に加えて、保護者も被害者だというお言葉については、もちろんその通りだというふうに考えております」(小学校側の説明)
学校内の調査の要望も

また、学校内の調査を求める声も。
「学校の先生方のパソコンやスマートフォンをすぐチェックして欲しい。じゃないと安心して子どもたちを送り出せません」(保護者)
「いま学校で保存している写真データですね。全て目を通す。今後のデータについては全て確認した上で、保存していきたい」(小学校側の説明)
「自分の子が撮られているかどうかを確認できない。みんなそこが知りたいところだと言って、そこはわからないという回答だったので帰っていかれた。とてもいい先生だったので見かけや普段の様子じゃわからない部分があっても親が子どもにしっかり教育していく。それでも防げないこともあるが親としてはそれぐらいしか浮かばない」(保護者)
終了後、校長が取材に応じました。
「最も話題になったのは校内に隠しカメラがあるのではないかということでした。学校でできることが限られているので教育委員会とも相談していきたい」と回答した」(校長)
容疑者の不審な行動を目撃していたという声も

また、会の中では新たな事実も。
「(児童が)着替えの部屋から出た時に廊下で森山容疑者に出くわすことが何度かあったということを言っていた保護者がいます」(校長)
女子児童が森山容疑者の不審な行動を目撃していたという声が複数の保護者から寄せられたといいます。
学校では、着替えが伴う27日の体育の授業を中止したほか、スクールカウンセラーを配置し、子どもたちの心のケアにあたることにしています。
教師の立場を悪用したとされる今回の事件。警察は、森山容疑者がどのようにグループを運営していたかなど実態解明を進めるとともに、残るメンバーの摘発に向けて捜査しています。
市教委「全員面談する」

そして、27日の午後3時。
「私共の職員がこのような事案を起こし深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」(名古屋市教育委員会)
名古屋市教育委員会が会見を開き、森山容疑者の逮捕を受けて、謝罪しました。
「スクールカウンセラーによる児童全員の面談を実施してほしいという要望いただいた。少なくとも1学期中には全員面談を実施したい」(名古屋市教育委員会)
また、校内に隠しカメラが残っているのではという声を受け具体的な方法はこれから検討するものの第3者による捜索を実施したいとしています。
一方で、再発防止策については、校外学習で撮影されたという情報もあり、どういう方法で写真を撮っていたかわからない状況のため、捜査で明らかになったことをふまえ再発防止策を講じるのが一番効果的ではと述べました。