
再チェック お出かけカバン・バッグに入れる防災グッズ【暮らしの防災】

「お出かけでの防災対策(2025年4月27日配信)」で、「ショッピング・ちょっとしたお出かけで持っていると良いもの」を紹介しました。あれから5カ月、全国で事故や災害による列車の運休、飛行機の行先変更による予想もしない空港への着陸→空港で一泊、連休に伴う渋滞などがありました。そこで、改めて「通勤、通学、ショッピング」などのバッグに入れておく「持ち歩き防災グッズ」について考えます。
防災グッズは、日常的に使ってカスタマイズ

「防災グッズ」は、ポーチなど小型ケースにひとまとめにして、そのままにする方が多いと思います。こうすると「緊急時」にしか使わなくなりがちです。これはダメです。
ティシュ、モバイルバッテリー類、携帯食・アメ、ばんそうこうなど、日常的に使いましょう。食べ物のローリングストック(循環備蓄)と同じように、使って補充を繰り返します。
そうすると食品類の賞味期限切れ、薬類の使用期限切れ、バッテリーの充電忘れ、乾電池の劣化などを避けられます。また自分にとって必要ないもの、必要なものに気づきます。
以下、「これがあれば」というグッズを紹介しますが、これはあくまでも「一般的に」です。必要なグッズには個人差があるハズです。普段使いで「ご自分・ご家族に合った持ち歩き防災グッズ」を作ってください。
モバイルバッテリー

連絡や情報収集でスマホは必須です。言うまでもなくモバイルバッテリーを持ち歩く必要があります。
充電式か乾電池式かは迷うところです。それぞれの長所・短所があちこちのサイトに載っています。調べてみてください。
また、ちょっとかさばりますが、AC用充電器と充電ケーブルもあると安心です。(※筆者は、充電忘れが多いので乾電池派です)
食料・飲料品

携帯食、350mlか500mlの飲料、アメ・キャンディー類です。ローリングストックで、小腹がすいたら食べて補充しましょう。携帯食は1~2食分ぐらいです。チョコレートもカロリーがあって適していますが、夏場は溶ける可能性があるので管理に注意してください。小さいようかんもアリです。
<衛生用品類>
大きめのハンカチ=止血にも使えます ティッシュ ウェットティッシュ(ポケットタイプを1パック) マスク ばんそうこう(数枚) 常用薬(1日分)
生理用品=止血にも使えます 下着(パンツ、ショーツ類を1枚あると安心です) 携帯トイレ(数回分)=携帯用トイレは事前に使用して慣れておいた方がいいです。最初はなかなか使えませんので。
便利用品

家庭で使っている生ごみ用の大きいポリ袋(小さく畳む)=これがスグレモノです。底に丸い穴を開けるとポンチョ状になり、レインコート、防寒着などで使えます。そのまま広げればレジャーシートやブランケット代わりになります。
折りたたみ傘

折りたたみ傘=普段持ち歩いている、折りたたみ式の雨傘・日傘。これも役立ちます。待合室のフロアなどにごみ袋を敷いて横になる時に頭の部分を傘で隠すと、顔が隠れてちょっと安らぎます。
但し、場所によっては置き引きやスリに遭うので貴重品は体の近くに置いてください。
家族カード、ホイッスル、メモ・ペン、ポケットライト(懐中電灯代わり)なども必要です。スマホで代用することもできますが災害時はバッテリーがもったいないです。
<現金 コイン>
少額でOKです。少しでも現金があると心強いです。500円玉、100円玉、10円玉数枚で。
<いつも手元に>
グッズの多くは100円ショップでそろいます。使ってみて買い直し、自分に合ったものにしてください。大災害用と考えるとちょっと構えてしまいますが、普段使いなら気軽に違った視点で考えられます。このグッズは列車の遅延、車の渋滞など思いもよらない時に役立ちます。
防災グッズを入れたポーチはしまい込まないことが重要です。通勤・通学・ショッピングではカバンの中に、ドライブはトランクでなくダッシュボードなど車内に、飛行機に乗る時は機内持ち込みの荷物に入れておきましょう。手元にあればいつでもスッと出して使えます。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。