値上がり続く卵&タマネギは2倍、小麦やバターは1.7倍 食材高騰が人気オムライス店を直撃
名古屋市西区にあるレストラン「創作料理ARANCIA(アランチャ)」。
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こちらの店では、チキンライスやシーフードピラフが入った3段積みのオムライスなど豪華なメニューを取りそろえる一方、ランチの980円のオムライスが近隣の会社員に愛されています。
(会社員)
「ランチは毎日来ています。この価格帯でやっているのは、すごく安いと思う。おいしいです」
この店の店長、伊藤秀樹さん。3か月ほど前、取材に訪れた際にランチメニューの価格について、こう話していました。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長:2024年10月取材)
「1000円以上のランチはなかなか出せない。皆さんの給料が上がってから徐々に、と思っている」
お客さんの懐事情を考え、なんとか価格を維持していました。
今回、改めて聞いてみると…。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長)
「背に腹は代えられないので、一律1000円のランチでやらせていただきたい」
来週中にランチの価格を1000円に値上げすることを決めました。
どんどん値上がりする卵
この店の卵の仕入れ値は、卵10個あたり去年4月は167円でしたが、9月に入り192円に。
そして12月は212円、1月は225円と、どんどん上がっているのです。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長)
「100人来店して、卵料理を食べる人が90人なので致命傷です」
卵の価格上昇の背景には飼料や運送費の高騰があるといいます。
また、愛知県常滑市内で年明けに立て続けに鳥インフルエンザの感染が確認され、価格への反映も気になる点です。
さらに…。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長)
「タマネギ(の価格)が、すごく上がった感じもする。今まで1個30円だったタマネギが1個60円とか」
卵だけではなく、デミグラスソースの材料となる油や小麦・バターなども全て、この2年間で約1.7倍に値上げされたということです。
苦しい状況を乗り越えるため、苦肉の策も…。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長)
「26センチのフライパンを使っていたが、小さくして24センチのフライパンで作るようにした」
値段を据え置くために卵の量を減らし、フライパンのサイズを変更。
さらに、少しでも客単価を上げるため、口はトウモロコシ、目にはゴマを使った可愛いウズラの卵を6個トッピングできるサイドメニューも取り入れました。
ランチメニューの値上げについて、お客さんは…。
(大学生・20代)
「お財布が痛いかなとは思う。でも(オムライスが)結構大きいので、大丈夫かなと」
(会社員・30代)
「他の店も1000円を超える所は多い。1000円は飲み込める範囲だと思う」
開店前の静かな店内で、伊藤店長は値上げについて苦しい胸の内を話してくれました。
(創作料理ARANCIA 伊藤秀樹 店長)
「1か月くらい、ずっとパソコンの前で考えているが、なかなか値上げできなくて。一緒に働いている従業員を楽させたいという気持ちがある」