“令和のコメ騒動”で街の米穀店は存続の危機「コメがなかなか手に入らない」 名古屋の米穀店の現状は…

記録的な高値が続くコメ。政府は安価な備蓄米の放出で事態の好転を図る考えですが、
町の米穀店は、翻弄され続けています。
名古屋市内の米穀店。新潟県のコシヒカリや宮城県のササニシキが玄米の状態で、5キロ4000円台後半で並べられています。
価格は去年の夏の約1.8倍。老舗の米穀店でもコメ集めに苦労をしているといいます。
「卸業者も非常に頑張ってもらっているが、卸業者自体がなかなか手に入れられないというのがある。『こういうのが入ったよ』と連絡があると、すぐ仕入れないとすぐなくなってしまう」(おこめのつぼい 坪井俊彦さん)
店ではお客さんに、少しでも安くておいしいコメを届けたいと努力を続けています。
こちらの店は卸業者に加え、農業法人からもコメを仕入れています。客の好みに応じて精米するサービスが自慢です。
「卸業者から、白米を仕入れると加工費を含んだ値段がくるので、どうしても高い。玄米で仕入れることにより、お値打ちにお客さんに提供できる」(坪井さん)
ただ、「町の米穀店」は存続の危機に直面しています。帝国データバンクの調査によると、昨年度に廃業した「町の米穀店」は88件にのぼり、直近5年間では最も多い件数となりました。
これまでの主な理由は、コメ販売の自由化に伴うスーパーなどとの販売競争でしたが、去年は「コメ不足」が大きな要因となったとみられています。
「現実に私の知り合いも1軒やめた。この際ということで、やめている人もいる。特に業務関係(飲食店など)を中心にやっている人は非常に厳しい。やはり需要が旺盛だが、供給が滞るので手に入らないから、お客さんには申し訳ないがやめますと・・・」(坪井さん)
備蓄米の契約対象拡大に期待と不安

高値が続くコメ。「町のお米屋さん」の苦境が続いています。
小泉農水大臣が打ち出した備蓄米の随意契約。2022年産のコメには申し込みが相次ぎ、27日受け付けを一時休止しました。
名古屋市昭和区にある「お米の服部」では…。
「3回目に入札のあった備蓄米の入荷予定は来月にある」(お米の服部 服部純 代表)
随意契約に切り替わる前の2023年産の備蓄米を仕入れることができたといいます。
しかし、2022年産の「5キロ2000円」という価格設定については、いまのコメの価格との開きに不安を感じているといいます。
「2000円というのはインパクトがすごく強いと思う。勘違いを消費者たちにしてもらってはいけないなと思っていて、5キロ2000円台でずっとコメが販売されるという誤認をされることがよくないかなと思っている」(服部代表)
また小泉大臣は2021年産の備蓄米の放出対象を米穀店などにも広げ、「5キロ1800円程度」で市販できると説明しました。
Q.応募するか
「内容によってしまうのかなとは思っている。農水省との直接の取引になると思うので手続きの大変さなど、その辺が気になった」(服部代表)