イラン情勢の緊迫を受け、12日は各地でガソリン価格が急騰し、名古屋市内のガソリンスタンドでは31円の値上がりとなりました。石油製品を使うクリーニング店や輸出企業にも動揺が広がっています。
■148円→179円に…「来週には」と話していた2時間後
11日夜の名古屋市内のガソリンスタンド。午後10時近くにも関わらず、次々と給油にやってくる人の姿が確認できました。
一夜明けた12日も、客がひっきりなしに訪れていました。この店のレギュラーガソリンの価格は1リットルあたり148円。破格の安さです。 客: 「ここはけっこうお値打ちなので来ます。(値上げは)厳しいです。家計に影響しますよね」 タカラ石油の担当者: 「(昨夜は)普段より倍の数字が出ていますので、かなりのお客さんが来ているなと、驚きました。うちも近々、30円ぐらい上がるんじゃないかなと。『来週には上がる』という話はきています」 来週には…と話していましたが、取材からおよそ2時間後には、一気に1リットル179円に。31円も上がっていました。
イラン情勢の緊迫化で、12日は全国でガソリンの値上げが相次ぎました。政府は、ガソリン価格を1リットル170円程度に抑えるため、来週以降、備蓄の放出や補助金制度を再開するとしています。
■原油価格の高騰の影響
中部地方を中心に展開するクリーニングチェーン『ヤングドライ』。これから衣替えの忙しい時期を迎えます。
水に弱いコートやブルゾンなどを洗うドライクリーニングには、石油系の溶剤を使っています。他にも、プラスチック製のハンガーや、衣服に被せる袋も石油由来です。 さらに、仕上げ作業で使うアイロンなどのスチームはボイラーで炊いていて、重油を多い時で月に6000リットルほど使うと言います。
工場から各店舗への配送などにかかるガソリン代も、頭を悩ませます。1日に約100キロほどは走行するということで、値上げを前にした11日、慌てて給油しに行ったといいます。 今のところ値上げは予定していませんが、今後の原油価格の行方に不安を抱いています。 ヤングドライの担当者: 「繁忙期にこのような情勢が重なってしまって、非常に痛手。今後はありとあらゆるものの大幅な値上げが懸念されます。価格転嫁はせず、自社でできる努力を1つでも2つでもしていくことが重要になってくるかなと思っております」
■“メイド・イン・ジャパン”の輸出にも影響
岐阜県安八町の糸メーカー『浅野撚糸』。 2種類の特殊な糸をよりあげた主力商品「エアーかおる」は、ふんわりとした肌触りと抜群の吸水性が人気で、累計2000万枚以上を売り上げたヒット商品です。
今、力を入れているのが、売り上げのおよそ4割を占める海外への輸出です。 浅野撚糸の浅野雅己社長: 「今年ものすごく力を入れようとしたのが中東です。(中東の)富裕層が日本の良い商品を扱いたいと、オファーが来ています」 円安を追い風にオイルマネーで潤う中東の富裕層向けに、エアーかおるの最上級の商品を輸出しようと商談を進めていましたが、中東情勢の悪化で計画はストップ。さらに、原油価格の高騰がコストの上昇につながると懸念しています。
浅野社長: 「とても商談ができるような状態ではないですね。いったんストップという状況です。一番大きいのは、撚糸機はすごく電気を使うんです。将来的に電気代が上がる=われわれの利益が削れる、そこは大きな影響を受けます」


