
強い日差し等で品質低下…コメ農家が気を揉む“高温障害” 新米の出荷価格は不透明も「ある程度は欲しい」


全国的に続く猛暑が、新米に与える影響が心配されています。「高温障害」で品質が低下するおそれもあり、注目される新米の価格動向はいまだ不透明なままです。
■もうすぐ“早場米”の季節 心配は「猛暑」
愛知県弥富市にあるコメ農家、古江トラクターでは、社長の古江真人(41)さんと弟の春樹さん(39)が力をあわせ、30ヘクタールほどの田んぼでコメ作りをしています。

2025年4月に作付けした「あきたこまち」は、8月上旬に収穫予定の早場米で、でき栄えが気になりますが…。 古江真人社長: 「例年並か、気持ち寂しいかな。高温障害もあると思います」 木曽川用水から田んぼに水を引いているため、水不足はないものの、強い日差しの影響などでコメの品質が低下する「高温障害」を心配します。

弟・春樹さん: 「刈り取ってみないと分からないところもあるんですけど。高温障害とかに関しては、収穫してみないと分からないので」 古江さん兄弟がもう一つ心配しているのが、コメの販売価格です。 いわゆる「令和の米騒動」で、コメの販売価格が高値で推移する中、2025年の新米の出荷価格はまだ不透明で、期待と不安を抱えながら、収穫の時期を迎えます。 古江真人社長: 「高くなり過ぎてコメ離れするのも困るなというところで、難しいところだなと思っています。農家側からしても、それなりの適正価格であれば経営は成り立つと思うので、ある程度の価格は欲しいです」
■「備蓄米」の人気続く…新米の価格はどうなる?
愛知県瀬戸市のスーパー「いせや」では、7月3日から備蓄米の入荷が始まり、お米のコーナーが拡張されていました。 備蓄米は銘柄米と比べて半分以下の価格で売られていて、「1人5点まで」と制限されています。

新鮮市場いせやの福丸明男社長: 「売り始めたばかりのころは1日150~200袋くらい売れていまして、今は1日50袋くらいかな。現状、ある程度はお客さまに行き渡ったのかなと」 入荷当初のように売り切れることはなくなったといいますが、今も安さを求める客が買い求めていきます。 客: 「2週間くらい前から手に入るようになったので切り替えました。(価格が)倍くらい違うので」 別の客: 「娘に『備蓄米が出ていたら買っといて』と頼まれた。(銘柄米は)まだ高いね」 「いせや」では、備蓄米が税込み2031円なのに対して、銘柄米は5000円以上と価格差は2倍以上です。このため、備蓄米と銘柄米の売れ行きを比較するとおよそ5:1だといいます。

新米の入荷によって今後、価格はどう変わるのでしょうか? 福丸社長: 「現状のまま、新米も高値で推移していくのではないかと。コメの収穫量が、猛暑による被害が出始めつつあるというお話は聞いております。予定より作り上がる量が減るかもしれないという部分で、値段も変わらないのではないかなと」