これからの季節、草むらなどに潜むマダニに要注意です。致死率の高い感染症にかかることもあります。対策を詳しく解説します。
実は恐ろしいマダニの生態と活動時期

外で過ごす機会が増えてくる時に注意していただきたいのがマダニです。中には、殺人ダニと呼ばれるウイルスを持つマダニもいて、刺されると感染症にかかり、最悪の場合命を落としてしまうこともあります。

そもそもマダニとは、どんな生き物なのか、名古屋市衛生研究所を取材しました。マダニの体長は0.5mmから3mmほどで、成虫は目で確認できるくらいの大きさです。生息している場所としては、山や草むらなど緑が多い場所で、近年だと市街地でも緑の多い公園や川の近くで姿が確認されています。
そして、活動の時期は3月から10月頃、そして、栄養源は人と動物の血液です。人と動物にかみついて血を吸うのですが、刺されても痛みを感じないのが特徴です。

私たちは気付かないうちにマダニに刺されていることもあります。ただ、すべてのマダニが危険というわけではありません。国立感染症研究所によると、ウイルスを保有しているマダニは大きくフタトゲチマダニ、キマダニの2種類です。この中でもウイルスを保有している殺人ダニの割合は全体に数パーセントだと言われています。
しかし、見た目でウイルスを持っているかどうかを判断することはできないので、注意が必要です。もちろん、刺されたからといって極端に恐れる必要ありません。刺されたマダニが万が一ウイルスを持っていた場合は、感染症にかかる可能性があるということを覚えておく必要があります。
恐ろしい感染症「SFTS」とは?致死率は27%

こうしたマダニによる感染症はいくつかありますが、特に注意が必要なのがSFTSです。正式名称は重症熱性血小板減少症候群。ダニが媒介するウイルスによる感染症で、マダニに刺されてから6日〜2週間ほどで発症します。症状としては発熱や全身の倦怠感、下痢、嘔吐などが見られます。

患者数が年々少しずつ増えてきており、最新のデータでは、2025年は191人が感染しています。さらに怖いのが高い致死率。研究所の調査によると、日本での致死率は27%にものぼります。
ペットや感染動物からの二次感染にも注意

マダニの感染症の怖いところは、自分が刺されていなくても感染するパターンがあるということです。感染した動物から人に感染してしまうケースも確認されています。自分が刺されていなくても感染した動物に噛まれてしまったり、動物の唾液や排泄物に触れたりすることで感染の恐れがあります。動物が感染していた場合、人間同様、発熱や全身の倦怠感などの症状が見られるので、異変を感じたらすぐに病院を受診するようにしてください。

愛知医科大学医学部の角坂照貴研究員によると、人もペットもマダニに刺されないようにすることが一番大切だとのことです。
今日からできるマダニの予防対策

マダニの対策として、まず山や野原でのレジャーを行う際は、服装に注意が必要です。長袖・長ズボンを着用してなるべく肌の露出を減らしてください。そして服装の生地は、ナイロンのようなツルツルとした素材の服だとマダニが付着しづらいと言います。
また、人もペットも虫よけスプレーを活用することが対策として有効です。そして帰宅後は必ず、マダニチェックを行ってください。入浴をする際、服を脱いだ後に、必ず鏡で全身をチェックするようにしてください。マダニは吸血をすると少しずつその血液で膨らみます。大きいものですと3~4倍の大きさになるので見つけやすくなります。

また、ペットの場合は、家に入る前にブラッシングをして、マダニがいないかどうかを確認してください。もし、マダニに刺されてしまった場合は、自分では取らずに皮膚科へ行ってください。無理に取ろうとするとマダニの一部が皮膚の中に残ってしまって、炎症を起こしてしまう可能性があるので、必ず皮膚科で取り除いてもらうようにしましょう。
マダニ対策を万全にしてお出かけを楽しんでください。


