![](https://dophkbxgy39ig.cloudfront.net/store/articles/621582038/original-635d2f8663509818816271eca4388316.jpg)
「猫吸い」にはまる飼い主続出 でも猫に迷惑かも? リスクと効果を獣医師に聞いてみた
![メ~テレ](https://service.locipo.jp/images/logo_nagoyatv.png)
2月22日は「猫の日」。最近「猫吸い」というワードが話題になり、「ネコの吸い方」という本も出ています。筆者も猫8匹・犬1匹と暮らしていて、「猫吸い」が大好き。でもネットには「危険」「リスク」という言葉も。猫にも迷惑だったらどうしよう…。獣医師に聞いてみました。
![筆者が飼っているスコティッシュフォールドの煌くん(右)と拓くん(左)](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02869001.jpg?v=1739439388)
「猫吸い」とは、猫の体に顔をうずめて呼吸することです。深呼吸したり、匂いを嗅いだり…。
筆者は家の中で、猫と目が合うたびに抱き上げて猫吸いをしています。8匹全員にしているので、1日に10回以上になることも。
なぜ猫吸いをしたくなってしまうのでしょう。
KASA動物病院(名古屋市南区)の杉山俊介院長は「抱きしめるのと同じ愛情表現ですね。最近は『猫吸い』という単語を知って、実践する人が増えている気がします」と話します。
猫の匂いはいろいろ?
![ポップコーンのような匂いがするのは、ご飯のせい?](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02869002.jpg?v=1739439388)
筆者の周りにも「猫吸い」をしている友人がたくさんいます。
聞いてみると、「甘い匂いがする」「お日様のような匂いがする」「意外と無臭」など、飼い主によって様々な感想が。我が家の猫は、ポップコーンのような匂いがします。
杉山院長によると、人間にとって、猫の体は基本的に無臭なんだそうです。
猫は異性に対してフェロモンを発することはあっても、それを人間が感じることはないためです。しかしグルーミングによって食べ物の一部が体に付いたり、昼寝した時に日光が体に当たって発する独特な匂いが混ざることで、人間も猫に匂いを感じることがあるといいます。
ポップコーンの匂いがするのは、キャットフードの原料にコーンスターチが高頻度で使われているため、それが関係している可能性があるそうです。
また、猫の匂いを嗅ぐと「ストレス解消になる」という飼い主もいます。
「猫とのコミュニケーションは、アニマルセラピーの効果があります。猫吸いで癒される人は、猫吸いをしなくても猫がそばにいることで癒されています。猫吸いをした方がストレス解消になるのかは不明ですが、気分転換にはなっているのではないでしょうか」(杉山院長)
「吸われる」猫の気持ちは…
![猫吸いをされた煌くんはこんな感じ](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02869003.jpg?v=1739439388)
では「猫吸い」される猫は、どんな気持ちなのでしょう。
「機嫌が良い時は『遊んでくれて嬉しい』、飽きた時や機嫌が悪い時は『触んなよ、めんどくせー』でしょう。猫吸いができる時は至近距離にいるはずなので、大体の猫は機嫌が良くて喜んでいると思います」(杉山院長)
猫は「触ってほしい」「遊んでほしい」など、かまってほしいときには自分から近づいてきますが、ある程度満足すると、すぐに離れたがる印象です。
ただ個体差があり、「猫吸い」を嫌がる猫もいるといいます。
「猫吸いに慣れていない猫にいきなり猫吸いをすると、ビックリして近づかなくなる事があります。最初は手でなでながら少しずつ顔を近づけ、徐々に慣らした方がその後も機嫌が良くなりやすいです」(杉山院長)
猫吸いをする時には、まず猫をよく観察し、触られたり顔を近づけても嫌がらないような状態ですることがいいそうです。
「猫吸い」で飼い主にリスクは?
![猫吸いをする際はアレルギーに注意を](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02869004.jpg?v=1739439388)
猫も人も健康で、常識の範囲内で行うなら、猫吸いに衛生面の問題はさほどないといいます。しかし過度なスキンシップによって、猫から病気が移るリスクもあるので注意が必要です。
「猫吸いは、猫の体に付いたものを直接吸い込みます。そのためハウスダストやダニなどにアレルギーがある人は、症状が悪化する可能性があります。特に、寝不足や疲れがたまった状態で猫吸いをすると発症しやすいです」(杉山院長)
また、猫の消化管寄生虫(ぎょう虫・サナダムシ)の一部は人にも感染するリスクがあるため、寄生虫の治療中や飼育開始直後の猫には猫吸いをしない方がいいそうです。
「消化管寄生虫は、屋外の猫の便やノミから感染します。家で長く飼育している場合はほとんど問題ありませんが、玄関やベランダなどにはごくまれにノミがいるので、ノミの予防薬を使った方が好ましいです」(杉山院長)
猫は病気にならない?
![KASA動物病院の杉山俊介院長](https://www.nagoyatv.com/nbnnews_image/dcmaxs02869005.jpg?v=1739439388)
また、人間の病気が猫に移る可能性はあるのでしょうか。
杉山院長は、猫吸いによって人から猫へ感染リスクが上がるものはないといいます。ただ、猫のリスクとして考えられるのは、ストレスです。
「そもそも猫吸いは、一般的には猫にとって嫌な行為なので、性格が温和な猫でないとできません。猫が嫌がっていないなら問題ありませんが、寝ている時に無理やり起こしたり、嫌がっている猫に猫吸いをする時はストレスになり、体調を崩してしまう恐れがあります」(杉山院長)
猫吸いを1回やって怒らなかった猫であれば、猫の方から近づいてくる時に限って短時間の猫吸いをするのであれば問題ないとのこと。
「猫も共同生活を送る生き物なので、お互い空気を読んで生活するとうまくいくと思います。嫌がる時は、やめてあげましょう」(杉山院長)
杉山院長の話を聞いてから、筆者は猫吸いをする時は猫の機嫌がいいかをより注意するようになり、嫌がったらすぐにやめることにしました。
猫好きの皆さんも、愛猫の気持ちに寄り添い、思いやりを持って猫吸いをしてあげてください。
(メ~テレ 飯田莉穂)