ドローンは兵器の“主役” 小泉防衛大臣「新たな危機の時代に」 日本も防衛産業支援へ

戦後81年、日本の防衛政策も今年大きく変化しています。その実情とは…

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鳥の目線を感じられるドローンの映像。撮影するのは、愛知県出身でCMや映画の撮影を行うプロドローンカメラマン・小澤諒祐さん22歳。世界大会での優勝経験もあります。

日本では、撮影や測量などに利用されるドローンですが…

(プロドローンカメラマン 小澤諒祐さん)
「複雑な気持ち。すごく便利ですぐに使えてしまうようなものを(戦争で)使ってほしくなかった」

海外ではドローンが“兵器の主役”に

ウクライナやイランなど、海外では兵器の主役となっているドローン。一方、日本では…

8月4日に公表された令和8年版 防衛白書。表紙はアニメ調のイラストですが、若者達が見上げる先には…「ドローン」が。

(小泉進次郎防衛大臣)
「わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものとなっている。無人アセットやAIの活用など、新しい戦い方への各国の取り組みについて新たに章を設けて記載した」

小泉防衛大臣が必要性を強調する「無人アセット」とはドローンのこと。今年の防衛白書でも「新しい戦い方」として、ドローンにかなりのページを割いています。

「死傷者の8割がドローン」日本のメーカーも出資

戦後81年の今年、これまで以上に「前のめり」になっている日本の防衛政策。それは、民間企業でも…

(テラドローン 徳重徹社長)
「フロントラインにおいて、死傷者の8割がドローンによるもの。より一層ドローンが重要になっている」

こう話すのは、東京のドローンメーカー「テラドローン」の徳重社長。

(テラドローン 徳重徹社長)
Q.今どこにいる?
「今はチェコにいる。その前はウクライナに1週間いた」

Q.ウクライナは何回目の視察?
「今回で14回目」

頻繁に現地ウクライナや周辺のヨーロッパ諸国を訪れ、防衛事業の拡大を進めています。

日本メーカーの関わるドローンが実戦投入

テラドローンは、元々測量や撮影などの産業向けメーカーでしたが、今年3月にウクライナのドローン兵器メーカーへの出資を表明。

共同開発した迎撃用のドローンは、すでに実戦投入されています。

対するロシア側も、攻撃の主役はドローン。両国とも現在コストの安いドローンによる都市部への攻撃を激化させています。

(テラドローン 徳重徹社長)
「最近はロシアも進化している。450~500キロぐらいスピードが出る、ジェットエンジンのついたドローンが出てきている。スピードが遅すぎて、今の迎撃ドローンでは打ち込めない。こっちが進化しなければいけない、とにかくイタチごっこがすごい」

防衛産業に注力「今のままだと大変な状況になる」

会社を挙げて防衛事業に力を入れる背景には、「強い危機感」があると言います。

(テラドローン 徳重徹社長)
Q.戦争に加担することにはならない?
「戦争は2国間の合意があってするものではない。片方が勝手に攻めてくる。今までみたいに平和であればいいが、攻められた時に今のままだと大変な状況になるのが明確。事前にしっかりと準備をするべき」

今年、防衛予算を過去最大の9兆円に増額した日本も、ドローンを使って敵を沿岸部で迎撃する「シールド構想」を掲げていて、テラドローンはこのための訓練用機体を防衛装備庁へ納入することが決まっています。

名古屋のメーカーも“ドローン兵器”を開発

防衛産業への参画は、名古屋のメーカーでも。

天白区にある「プロドローン」も、元は産業ドローン専門でしたが、今年から防衛向けの開発を始め、5月小泉大臣が視察に訪れた際には、手りゅう弾や迫撃砲などを搭載したドローン兵器を披露しました。

(プロドローン 戸谷俊介社長)
Q.防衛が占める割合が増えてきている?
「日本が抱える非常に複雑な安全保障環境の中で、ドローンが日本の安全保障、防衛体制を作る重要な役割を担う。我々はできるところで貢献したい」

さらに今年、政府系金融機関の日本政策投資銀行が、これまで規制してきた武器関連事業への融資を解禁し、民間の防衛産業を支援する体制に変わったため、そこからも資金を調達しています。

(プロドローン 戸谷俊介社長)
「ひとつの国策というと、おこがましいかもしれないが、新しい産業創出に向けて期待してもらっているかなと思う」

メーカーは「国民の命のための産業」

5月に地雷探知ドローンの実証実験のため、ウクライナへ派遣された社員も。

(ウクライナへ派遣された森内倫子さん)
Q.現地に行って空襲警報が鳴る中で、迎撃ドローンの必要性は感じた?
「個人的には感じている。日常の中に(攻撃ドローンが)飛んできちゃう。どうやって私たちの生活を守るのかという恐ろしさも感じた。自国を守るために必要な手段は持たなければいけないと思った」

(プロドローン 戸谷俊介社長)
Q.使われ方によっては、戦争に加担するという考え方もあるが?
「迎撃とか対処というと、何か攻撃するのでは?と思う。そうではなくて、飛んできたドローンに対して無力化するためのもの。我々はこの産業をちゃんとやっていかなければいけない。誇らしくもあり公共性が高く、国のために国民の命のための産業なので、気を引き締めていく」

小泉防衛大臣「新たな危機の時代に」

自衛隊の最高幹部、統合幕僚長を務めた河野克俊さんは…

(元統合幕僚長 河野克俊さん)
「相対的に弱い国でも、戦える状況になってきている。ウクライナがロシアに対してドローンで攻撃を仕掛けている。今後ドローン抜きにした戦い方は、当面の間は考えられないと思う。日本は海洋国家なので、海の上の防衛が重要。水上や水中のドローンが、日本にとって有効な兵器になると思う」

防衛費は関連を含めて10兆円を超え、武器輸出の規制を撤廃するなど、まさに今年 歴史的な転換点を迎えている日本の防衛。小泉大臣は…

(小泉進次郎防衛大臣)
Q.日本の防衛は新たなフェーズに入った?
「現在、日本は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面し、新たな危機の時代に突入しつつある。そういったことを考えれば、新たなフェーズに入ったと認識している。一方、わが国は平和国家としての歩みを変えることはないが、国民の皆さまの命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力を整備することが必要」

撮影用だったドローンが戦争に…

ドローンカメラマンの小澤さんは、自分が撮影用に使っている手作りの小型ドローンとほぼ同じものが、ウクライナの戦争で攻撃用に使われていると言います。

(プロドローンカメラマン 小澤諒祐さん)
Q.いくらくらい?
「6~7万円くらい。安いパーツを集めると、もっと安くできる。下に爆弾を搭載して、早いスピードで飛んでいくこともできる」

Q.撮影用だったドローンが、戦争で使われている現状をどう見ている?
「撮影でドローンを最初 趣味で始めた身からすると、(兵器としての)使い方もできるものを扱っている自分の怖さもある。僕はそういうことはしたくない」

戦後81年が経ち、平和維持へのアプローチが大きく変わる中、日本がどこへ向かうのか。国民1人1人が、無関心ではいられません。

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