予想外!?「古古古米」は今月20トン追加注文 一方「外国産米」は店の奥に17トン残る… 日米関税交渉合意 コメ販売店の受け止めは

備蓄米は「絶対当たる宝くじを買うようなもの」
今回の日米関税交渉の結果をコメ販売店はどう受け止めたのか。24日、愛知県岡崎市の渡辺米穀店を訪ねました。
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(大石邦彦論説室長)
「看板が出ています、備蓄米7月30日午後2時から販売開始」
(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
Q.この間も(備蓄米を)販売していなかった?
「6月の終わりに10トン入荷して思った以上の反響があって、10日くらいで売れてしまった。(備蓄米は)絶対当たる宝くじを買うようなものなので、なんで扱わないの?と言われたりした」
予想外!?古古古米を20トン追加注文「銘柄米が売れない…」
渡邊さんは、令和3年産の古古古米が8月まで売れ残ると思っていましたが予想外の売れ行きで、追加で今月中に20トン申し込んだといいます。
(渡邊さん)
「(備蓄米は)あればあるだけ売れるけど、逆にこちら(銘柄米)が売れない」
近づく新米の入荷時期を前に、5キロで4000円~5000円の銘柄米の売れ残りが出ないかと心配します。さらに…。
アメリカ産の輸入米が12トン「1トンは売れたが…」
(渡邊さん)
Qアメリカ産のカルローズ3400円は売れている?
「ぽつぽつという程度。12トン入荷してそんなに減っていない。1トンくらいは売れた」
1キロあたり341円の関税がかかるため、以前なら手を出すことがなかったアメリカ産と台湾産の輸入米が、店の奥にあわせて17トンあまり。これらのコメは当初国が「備蓄米は出さない」と言っていたため、高値覚悟で仕入れたものでした。
このように輸入米に銘柄米、さらには備蓄米と必死にかき集めたコメ。売れ残りが出るのはなんとか避けたいところです。
「外国産米の輸入増加が常態化するのでは」と危惧
(渡邊さん)
Q.関税交渉で合意しました。最低輸入量の枠よりも(輸入米が)増えることはない?
「今の段階ではよかったのかなと思うが、この先それで収まるのか心配がある」
Q.将来的には店頭に外国産米がもっと並ぶ可能性はある?
「出てくると思う。値段的な部分もあるし」
ことしはコメ不足の影響で外国産米の輸入が増加。これが常態化するのでは?と危惧する渡邊さんです。
もしことしのコメの出来が去年並みだったら「パニック」
(渡邊さん)
Q.ことしも去年並みの出来でコメが足りないとなったら?
「パニックが続くというか、もうどうなっちゃうんだろう」
Q.関税交渉合意したけれど、やはりもっと輸入を増やそうとなったら?
「その方向になりそうな気がして心配」
異例のコメ不足と後手後手になった農政の危うさのツケが、コメ販売店には現れていました。