この10年余りで200本弱も…『日本のさくら名所100選』の桜の木が減少 老齢化に加えて新たな難敵“クビアカ”

「さくら名所100選」にも選ばれている愛知県岩倉市の五条川。しかし、樹木の老齢化に加え、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」による被害も確認されました。故郷の桜を次世代へつなぐための、懸命な対策も始まっています。

■200本近く減少…名所に忍び寄る「老齢化」

『さくら名所100選』にも選ばれている岩倉市の五条川桜並木。7キロほどにわたる川沿いに、およそ1300本の桜並木が続いています。

 3月27日から始まる「岩倉桜まつり」に向けて、着々と準備を進めていますが、悩みも尽きません。  近年、老齢化が進んだことから、桜の木はこの10年あまりで200本弱減ったといいます。 岩倉五条川桜並木保存会の会長: 「(ソメイヨシノの)寿命は60〜70年と言われている。倒木すると危険。枝が落ちてケガをしてもいけないし」

 終戦の4年後、市民の手で植えられた苗木から始まった桜並木を、次世代へ。  桜並木保存会では月に2回、枝の剪定のほか、肥料をやったり伐採した幹から出た枝を後継木として育てたりするなど、保全活動に力を入れています。

■木を食い荒らす桜の天敵『クビアカ』

 しかし2025年、老齢化に加え新たな問題が。それが『クビアカツヤカミキリ』です。  国内では飛島村で2012年に初めて確認された特定外来生物で、桜の木の内部に幼虫が入り込み、木を食い荒らしてしまう桜の天敵です。

 2025年10月に岩倉市でも初めて確認され、2026年1月に市が伐採する事態となっています。  市では、病気や害虫に強い品種・ジンダイアケボノへの植え替えを進めていて、保存会でも後押ししています。 岩倉五条川桜並木保存会の会長: 「先月、子供たちと桜を植えるイベントをした。自分たちの故郷の桜を『僕たちが触っている』という経験があるかないかは大きいと思うんです。岩倉の子供たちにこの桜をいかに残すかということが大事だと思っております」

 老齢化と厄介者に負けることなく、故郷の桜を次の世代へ繋げられるでしょうか。

■1匹あたり1000 個近くの卵を産むことも…全国で見つかる

 クビアカツヤカミキリは、全体的に光沢のある黒色で、胸が赤いことが特徴です。中国やベトナムなどに生息している昆虫ですが、ウメやモモの木も食い尽くし、枯れさせる害虫です。

 日本では、2012年に愛知県飛島村で初めて見つかりました。この時は分布の拡大は抑え込みましたが、その後、東京や大阪などでも見つかっています。2026年3月には、岐阜県では初めて、海津市で見つかりました。  クビアカツヤカミキリのメスは、1匹あたり1000 個近くの卵を産むこともあり、幼虫が生きた樹木に入り込み、1~3年かけて食い荒らすこともあります。

 生息のポイントは、木の根元に「フラス」と呼ばれる木くずとフンが混ざったものがあるかどうかです。  愛知県庁では、クビアカツヤカミキリを見つけたら「叩き潰すなどして駆除を。潰すのに抵抗がある方は、市販の殺虫剤をご使用ください」と、また名古屋市は「なごや生物多様性センター」に連絡するよう呼び掛けています。

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