この時期、退職を考える人が急増しています。
ゴールデンウイークが終わり、代行業者には、普段の約3倍の依頼が来ていました。早期退職を考える若者が増えている背景について、専門家はSNSの影響を指摘します。
退職代行の依頼は約3倍
退職代行ヤメカド 石川雄一郎社長:
「『ゴールデンウイーク明けに辞めたい』という依頼がやはり多いです」

2025年8月から「退職代行」を請け負うこの会社には、4月末からの2週間で依頼が殺到。その数は40件を超え、普段の約3倍だといいます。
やりとりをするラインの画面には、退職を希望する切実なメッセージが。

「上司との関係があまり良くなく、関わるのが苦痛で退職したいのですが」
「連休明けに出社できる自信がないです」
「すでに出勤時間ですが、本日出勤しておりません」

退職代行ヤメカド 石川社長:
「いわゆる五月病と言うんでしょうか。4月に入社して1か月ぐらい頑張って、やっぱりつらかったとか、そういった方が半分」
こうした依頼を受け、最短1日で退職までの手続きを進めるといいます。早期に退職を決める理由には、「歓迎会や飲み会が強制参加だった」などといった内容もあるといいます。
SNSで“隣の芝”が早く見えてしまう
企業の人事コンサルティングを行う、安藤健さんによると、近年、新入社員が1年以内に退職するケースが多くなっているといいます。

その理由について、安藤さんは「SNSが発展して、大学時代の同級生が職場で、どんなふうにどんな顔して働いているか、(同級生の職場環境が)リアルタイムで分かる。これが一つの大きな要因。“隣の芝は青く見える”というのが、早く見えすぎてしまう」と話します。
また、人材流出を防ぐために、企業は入社前から現実を伝えておくことが重要だといいます。
安藤さん:
「採用段階で自社のいい面、魅力だけじゃなくて、課題や泥臭い実態というのを誠実に伝えておくことが、入社後にリアリティショック(ギャップ)を和らげるワクチンになる」
“ホワイトすぎて”離職する新入社員も...
退職代行の理由は、人によってさまざま。安藤さんは、早期離職する主な理由のひとつとして、“緊張の糸が切れるタイミング”を挙げます。

「大学生活が終わってしまった」というストレスと、「新社会人として1か月頑張った」というストレスの両方が大きい4月。ゴールデンウイークで緊張の糸が切れてしまい、離職につながってしまうパターンが多いといいます。
もうひとつの理由は、“リアリティショック”。これは、理想と現実にギャップを感じたときに生じる心理的衝撃を指します。
最近では、職場環境が“ホワイトすぎて“離職するというパターンも。新入社員が「もっと仕事をしたい」と思っていても、労働時間の制限などもあり、“働かせてもらえない”という状況に。
安藤さんによると、ある物流会社で新入社員数名が、「仕事がエクセル入力ばかりで現場に出してもらえない」、「残業が無く、ホワイトすぎてやりがいが感じられない」という理由で離職したケースもあるといいます。
こうした社員の方は、初任給の高さなどよりも、やりがいを重視する傾向にあり、“自分の市場価値を上げることができるか”を大切にするそうです。
SNSの普及で他社の状況が見えやすくなった現代。安藤さんは、新入社員との関わり方について、「個人の特性を見ながら、接することが重要」と見解を示しました。


